目標は、少しずつ

 

適切な幼児教育は後の
人間形成において大変重
要であると考えています
が注意していただきたい
ことがあります。
幼児教育は完璧な育児や
教育を推奨するものでは
ないということです。


 ・愛情が第一を忘れない
 ・他の子どもと比較をしない
 ・完璧主義にならない
 ・結果を期待しすぎない
 ・ゆったりとした心を持つ
 子どもへの過剰な期待は
 親子共に大きなストレス
 になる可能性があります。
 ゆったりと構え、少しくら
 い上手くいかなくても
 「まぁ、いっか。」
 位に考えられることが幼
 児教育を続けられるポイ
 ントになります。 

目標は、少しずつ   はやし浩司先生の子育て随筆2

  今、年中児でも、文字に対して、何らかの嫌悪感を覚えている子どもは、全体の約二〇%は
いる。もっと、多いかもしれない。中には、文字を見ただけで、体をこわばらせてしまう子どもさ
えいる。

 原因は、家庭での、無理な学習である。

 この時期、子どもが、どんな文字を書いても、まず、ほめる。すべては、ここから始まる。「ほ
う、じょうずになったね」「この前より、うまく書けるようになったね」と。こうした前向きな暗示が、
子どものやる気を引き出す。

 が、中には、神経質な親がいる。トメ、ハネ、ハライは、もちろんのこと、書き順、さらには、書
体まで、あれこれ注意する。今でも、私が子どもが書いた文字に、大きな花丸をつけて返すと、
「もっとしっかりと、見てください」と言ってくる親がいる。

 しかし文字の役目は、見てくれではない。いかにして、自分の意思や考えを、相手に伝えるか
ということ。すべては、ここから始まり、ここに終わる。

 今、小学校の高学年児や中学生でも、国語イコール、漢字の学習と思っている子どもは、多
い。D君(小六男児)が、そうだった。書道の先生でも、そこまでじょうずに書けないだろうと思う
ような文字を書いていたが、作文は、まったく苦手だった。親は、子どもの書く文字を見て、「う
ちの子は、国語力はあるはず」と考えていたようだが、それは、まったくの誤解。

 もちろん、だからといって、文字を美しく書くのがムダと言っているのではない。

 日本人は、どうしても、型にこだわる。そういう民族である。その形にこだわりすぎるあまり、
中身を忘れやすい。オーストラリアでも、アメリカでも、そんな教育はしていない。

 アデレードの近くの小学校へ行ったときのこと。かべに張ってあった作文を見て、私はびっく
り。文法はもちろんのこと、スペリングまで、めちゃめちゃ。そこで私が、「なおさないのです
か?」と聞くと、その女の先生(小三担当)は、こう言った。

 「シェークスピアの時代から、正しいスペリングというのは、ないのです。意味がわかれば、そ
れでいいのです」と。

 こうした意見に対して、ある小学校の先生(校長)は、こう言った。「書き順は、最初からきち
んと教えておかないと、あとで苦労します」と。

 だったら、書き順などという、愚劣なものは、なくせばよい。英語のアルファベットは、たったの
二六文字しかないが、書き順など、ない。……少なくとも、トメ、ハネ、ハライなど、毛筆時代の
亡霊を、こうまでかたくなに守らねばならない理由など、もうない。

 さらにこうした私の意見に対して、「林さんは、日本語のもつ美しさを否定するのか」と言って
きた人もいる。

 美しいか、美しくないかは、それはその道の専門家が決めること。そういうものを、私たちや、
子どもたちに押しつけてもらっては、困る。「美しい」と思う人が、美を追求すればよい。

 今、小学生でも、作文が好きという子どもは、学年が大きくなればなるほど、減ってくる。一
方、作文が嫌いという子どもは、いくらでもいる。本をまったく読まない子どもも、多い。

 では、どうするか。

 子どもに与える目標は、少しずつ、段階的にするのが、コツ。

 まず、文字らしきものを書いたら、ほめる。つぎに、かろうじて読めるようになったら、ほめる。
さらに形がしっかりしてきたら、ほめる。

 こうした方式を、ステップ・バイ・ステップ方式という。しかしこの方式は、何も私が改めてここ
に書くまでもなく、幼児教育の常識。こわいのは、いきなり高い目標を与えて、子どもを失敗さ
せること。

 一度、この時期に失敗すると、あとがない。「あとがない」というより、それから立ちなおさせる
のは、容易ではない。たとえばこの時期に、一度、文字嫌いにしてしまうと、(文字が嫌い)→
(逃げる)の悪循環の中で、国語力(作文、読解力)は、ますます低下する。

 国語力は、すべての学力の基本である。決して、軽く考えてはいけない。ちなみに、「本が好
き」と答える子どもは、将来、確実に、勉強ができるようになる。



常識 こわれる子どもの心 観察学習
内面化 無力感 神経性習癖
目標は、少しずつ 幼児教育は大学教育より奥が深い 「ちゃんと見てほしい」
「型」にこだわる日本人 「U」が二画? 左利きと右利き
エビでタイを釣る 私の意見に対する反論 子どもを伸ばす、こんな方法
チャンス 教育と医学 『ソフィの選択』
面接で得する子ども、損する子ども 意識の違い じゃんけん
熱くなる頭 目で見える世界 江戸時代の亡霊 
参観 生意気な子ども 固い粘土は伸びない
母親は、息子の友人が成功すると、ねたむ。 いじめの陰に嫉妬 依存性
依存心をもたせるのは卑怯(ひきょう) 依存心をもつ子どもたち 再び、日本型の子育て論
子どもに求めない 親であることのきびしさ ある男性の追跡観察から……
世間のわずらわしさ 心の貧しい人たち 他人を喜ばす喜び
親子の触れあい 「?」の親論 加熱する受験競争
考える人、考えない人 子どもの叱り方 子どもの褒め方
叱り方・ほめ方は、家庭教育の要(かなめ) こんな怒り方は、がまんのし方は、子どもを、ダメにする EQとは……
IQの高い子どもは、誤解されやすい  EQは、思春期までに完成される 受験勉強
私は、どんな親か? 日本の教育改革 おじいちゃん、おばあちゃんへ
先祖と子孫 昔にしがみつく人たち 信仰
住環境と、子どもの騒々しさについて 夫婦の危機 基底不安
人格の未熟性 返礼の法則 これからの老人たちよ、少し、考えよう!
子育てポイント いくつかの提案 親を美化する人 権威主義
親を見抜く きびしい親の世界 親は親で、前向きに
日本の問題 欲望VSコントロール 正直に生きる(PART?)
小六の子どもたちの会話 エリート意識 強情な子ども

情報・画像の出展:はやし浩司先生

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【はやし浩司先生のプロフィール】

はやし浩司先生1947年岐阜県生まれ。

金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。

独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。

現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。

●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。

うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。

「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。

●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。

●現在は、インターネットを中心に活動中。

メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、

電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。

「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。

(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)

過去の代表的な著書

子育て格言ママ100賢1子育て格言ママ100賢子育て格言ママ100賢子育てはじめの一歩

子どもの心・100の育て方目で見る漢方診断クレヨンしんちゃん 野原家の子育て論子育てストレスが子どもをつぶす

ドラえもーん・野比家の子育て論 子育て最前線のあなたへ受験に克つ子育て法ポケモン・カルト―あなたの子どもがあぶない!

・・・などなど30冊余り出版されています。