アダルトチルドレン

 

アダルトチルドレンについて   

アダルトチルドレンとは、機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持っている人のことを指す。
Adult Childrenの頭文字を取り、単にACともいう。
学術的な言葉ではないため、論者により定義が異なる場合がある。

日本においては、1990年代にマスコミや、精神医学、臨床心理学を知らない知識人たちにかなり誤用された(参照:誤解と誤用)ために、近年はその本来的な意味をあらわすのにアダルトサヴァイヴァー / アダルトサバイバー(Adult Survivor)が使われるようになってきている。

一般には、親による虐待や、アルコール依存症の持つ親がいる家庭や機能不全家庭で育ち、その体験が成人になっても心理的外傷として残っている人をいう。
破滅的であったり、完璧主義であったり、対人関係が苦手であるといった、いくつかの特徴がある。
成人後も無意識裡に実生活や人間関係の構築に、深刻な悪影響を及ぼしている場合も多いが、日本においては2009年現在、未だ一般社会による認知度は低い。

目次

  • 1 定義の変遷
    • 1.1 発祥
    • 1.2 発展
    • 1.3 今日の用法
  • 2 精神疾患との関連性
  • 3 誤解と誤用
  • 4 主な現象と注目点
    • 4.1 条件付きの愛情
    • 4.2 虐待について
    • 4.3 共依存
  • 5 ACの特徴的な心理パターン
  • 6 ACの習慣化された思考
  • 7 ACの役割
  • 8 ACの主なタイプの特徴
  • 9 学術的立場
    • 9.1 AC理論と精神医学界
    • 9.2 ACと精神疾患
    • 9.3 ACと社会問題について
    • 9.4 著作活動による社会への理解
    • 9.5 ACへの批判
  • 10 関連項目
  • 11 外部リンク
  • 12 脚注
  • 13 参考文献

定義の変遷

発祥

語の発祥は「Adult Children of Alcoholics(アルコール依存症の親のもとで育ち、成人した人々)」であった。
この言葉は、1970年代、アメリカの社会福祉援助などケースワークの現場の人たちが、自分たちの経験から得た知識により作り出したものであり、学術的な言葉ではなかった。

発展

その後、アメリカのソーシャルワーカー、クラウディア・ブラックの研究により、単にアルコール依存症の親のもとで育った子どもだけでなく、機能不全家庭で育つ子どもが特徴的な行動、思考、認知を持つと指摘された。
この考えは、「Adult Children of Dysfunctional Family(子どもの成育に悪影響を与える親のもとで育ち、成長してもなお精神的影響を受けつづける人々)」というものであり、現在もっとも広く支持されているアダルトチルドレンの定義となっている。

今日の用法

また近年では、「幼少時代から親から正当な愛情を受けられず、身体的・精神・心理的虐待を受け続けて成人し、社会生活に対する違和感があったり子ども時代の心的ダメージに悩み、苦しみをもつ人々」を総称して、メンタルケア(心理療法)が必要な人をアダルトチルドレンと呼ぶこともある。

しかし、日本においては1990年代にマスコミなどによって誤用が進み、もはや原義を離れたところで一人歩きしてしまったために、今日では専門家のあいだではアダルトサヴァイヴァー(Adult Survivor)というケースが増えてきている。

精神疾患との関連性

アダルトチルドレンは精神医学的な概念ではないため、診断名にならない。
ただしその症状により、境界性人格障害、依存性人格障害、自己愛性人格障害、回避性人格障害等の人格障害として診断される。

誤解と誤用

「アダルトチルドレン」を「子どもっぽい行動をする大人」「大人になりきれていない子ども」といった意味で使用するのは誤用である。

Adult Childrenをしいて日本語に訳せば「大人になった子ども」となるが、この場合の「子ども」とは年少者(kid)の意味ではなく、親に対する子(息子、娘)の意味である。

2001年、セガは大人げない性格を表現する意図で「アダルトチルドレン」と命名されたキャラクターが登場するドリームキャスト用ソフト「セガガガ」を自社の通信販売サイトで販売していたが、「日本アダルトチルドレン協会(JACA)」、「アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)」、「アディクション問題を考える会(AKK)」が誤用を指摘。セガ側はキャラクター名の変更、通信販売サイトでの一時販売停止、一般店頭販売予定日の延期を行った[1]

主な現象と注目点

条件付きの愛情

本来、親は子どもに無条件で愛情を注ぐものであるが、親の愛情が無条件の愛ではなく、何らかの付帯義務を負わせる「条件付きの愛」であることが問題となる。これが継続的に行使される家庭では、子どもは親の愛を受けるために、常に親の意向に従わなければならず、親との関係維持のために生きるようになり、この時点で親子関係は不健全であるといえる。主に幼少期からこうした手段が用いられ始め、子どもの精神を支配する手段として愛情を制限する。

この手段は子どもが成人する段階になっても継続され、引き続き成人した子ども(Adult Children)の精神を支配する。実はこの状況は非常に多くの家庭に存在しており、子どもは常に不健全な状況にさらされている。しかし、第三者からは一見してこのような家庭は何ら問題のない普通の家庭として認識される場合が非常に多く、「条件付きの愛」はしつけや教育と称される家庭の病理性の深さを象徴する現象であり、最も基本的な精神的虐待である。しかし現実に、無条件の愛を常に実行できるかというと、これは極めて難しく、健全な家庭を目指すには「条件付きの愛」を減らし、可能な限り無条件の愛を与える方法を親自身が訓練・勉強する必要があるだろう。

虐待について

家庭内環境(家庭問題)において、身体的虐待は暴力や近親姦などで顕在化しやすいが、親から子への愛情の不足や心理的虐待は第三者からは非常に察知しづらい面が問題とされる。特に精神的虐待を行っている親当人は自身の子どもに対する言動が、虐待であることに気づいていないケースが多い。よって肝心の幼少期・成長期に問題を発見することは非常に困難である。よって成人し自立した後、年齢を問わずACの苦しみの出現によって、精神的疾病にまで発展することもある。

精神的虐待は、しつけか虐待かの境界線が重要な注目点である。その判断は、あくまで親の処置を子どもがどのように受け取っているか、という立場で点検する。特に親の側が良かれと思い対処したことが、子どもにとっては強要と解釈されるケースを注目する。強要と受け取られた場合、場合によって子どもの心に萎縮をまねき、結果として精神的虐待となる。この意思疎通のズレが問題とされる。

共依存

ACの精神的虐待の象徴的特徴として、共依存 (co-dependency)があげられる。

典型的な例として、親が強力に子どもの精神を支配する行動が、子どもの方も支配されたいという特異な感情を生み出し、親も子どもも支配し支配されることに奇妙な安心感を見出して、支配を通して相互依存するという現象がある。これは子どもにとって支配に反抗するより支配を受け入れる方が家庭内で波風を起こさなくて済むため、平穏な環境でいるためのサバイバル手段と解釈されている。

通常、子どもはある年齢に達すると親の支配から脱しようと試みるのが自然な形態であるが、この相互依存関係が強い場合親子関係は成人してもなお、支配の相互関係という不健全な状態が続く。

よりわかりやすい表現で表せば、子離れせずに子どもを人生の目的とし続ける親とそれを受け入れ続けざるを得ない精神構造を埋め込まれた子ども、ということになる。これがひどい場合は親が死亡するまで関係を健全化することができず、極端な例として女性の場合は母親が死ぬまでともに暮らす、つまり一生結婚の機会を奪われることもある。

ACの特徴的な心理パターン

  • 正しいと思われることにも疑いを持つ。
  • 物事を最後までやりぬくことが困難。
  • 本音を言えるような場面で嘘をつく。習慣的に嘘をついてしまう。
  • 自分を情け容赦なく批判する。自己処罰癖、自罰傾向がある。
  • 自分のことを深刻に考え過ぎる。
  • 様々なことをリラックスして楽しむことや遊ぶことが出来ない。
  • 他人と親密な(心の通った)関係が持てない。
  • 環境の変化に過剰反応する。
  • 常に他人から肯定され、受け入れられることを求めている。
  • 他人からの承認、賛同、称賛を必要とする。
  • 自分は他人とは違っていると感じている。
  • 過剰に責任を持ったり、逆に、過剰に無責任になったりする。
  • 従うことに価値がない場面でも、従いがちである。
  • 衝動的で、ひとつのことに閉じこもる。
  • 衝動的であるためトラブルが多い。
  • 離人感、自分が自分でなくなるような感覚。
  • 身体性が希薄。
  • 他人への依存。
  • 自立的な判断と思考の欠如・周囲の期待に合わせようとする。
  • 自分を殺して違う自分に成り代わり、期待されている自分を演技してしまう。
  • ストレートに「嫌です」が言えない。
  • 甘えと愛情、依存としがみつきの区別がつかない。
  • 妄想を持つことがある
  • 喜怒哀楽の表現が不得手で感情の波が激しい。
  • 無力感を訴え、心身症に陥りやすい。
  • 自分の判断に自信が持てない。
  • 傷つきやすく、閉じこもりがち。
  • 孤独感、自己疎外感が強い。
  • 自分にはどうにも出来ないことに過剰反応してしまう。
  • 世話やきに熱中しやすい。

ACの習慣化された思考

  • 先取り不安と時間感覚の障害 - まだ起きていない悪い未来への不安に縛られてしまう。また「自分の将来に待っているのは悪い未来ばかり」としか思えない。
  • 見捨てられ不安 - 良い子の自分でいないと、好きな人から嫌われてしまい、愛してもらえないと思い込む。
  • マインド・リーディング(Mind Reading)- 相手の言動や表情から「自分は嫌われている」「私がこの人を不快にさせてしまった」など、悪い答えばかりを引き出してしまう読心術。
  • 承認欲求と愛されたい願望 -「認められたい」「愛されたい」という他者への過度の欲求で、自分自身を混乱させてしまう。
  • テスティング(Testing)- 相手を困らせたり不快がらせる言動をわざとして、自分への愛情度を測る「試し行動」。
  • 親密感と距離感の問題 - 他者との関係が、くっつき過ぎか離れ過ぎかのどちらかになってしまい、適度な距離感が実感できず、維持出来ない。
  • 対人恐怖 - むしろ相手との関係が親密になってゆく過程で出てくる問題で、表面的な関係では極度な対人緊張として感じる。
  • 自他境界の問題(Personal Boundary Problems)- 他者の感情や行動上の問題に、自ら巻き込まれてしまう。あるいは逆に自分の感情や行動へ相手を巻き込んでしまう。
  • 白黒思考 - オール・オア・ナッシング(All or Nothing)で、自分の中にいつも二者択一の選択肢しかない。灰色(中間)の選択肢もあると考えられない.
  • 完璧主義(Perfectionism)- 白黒思考と似た考え方で、「全ての準備」 や「成功への約束」が整わないと、何もしない完璧主義者になりやすい。過剰に自責的な一方で無責任とも言える。
  • パワーゲーム思考 - 人間関係を「優・劣」「上・下」「勝ち・負け」の尺度で見てしまう。しかも多くの場合、自分が「劣」「下」「負け」側になっている。
  • 自己主張の問題 - 嫌なことを「イヤ」と相手に言えなかったり、正当な欲求や要求を「自分のわがまま」だと思い込んでしまい、言葉にして伝えることが出来ない。
  • 責任感の問題 -「この場をつまらなくさせているのは自分がいるからだ」など、過剰で不要な責任を感じてしまう反面 、果たす必要がある責任を放棄してしまう。
  • 自分の感覚や感情への不確実感 - 「好きだ」「嫌だ」と感じた自分の感覚や怒りなどの自分の感情に、「そう感じた通りで正しい」という実感が持ちにくい。
  • 怒りの感情と、その表現の仕方(伝え方)の問題
  • 淋しさの感情と、その感情とのつきあい方の問題
  • 問題自体の否認やコントロール欲求の強さ

ACの役割

ACは家で生き延びるための役割を背負ってしまっている。役割を背負った子どもは、子どもとして楽しい子ども時代を過ごすことは出来ず、自分の感情を押し殺し、傷ついていく。

ヒーロー(Hero)
家の問題を隠蔽するために、家の外でがむしゃらに活躍する。あるいは世間に注目されることで、両親の関係を取り持ち、家の問題を表沙汰に出来なくさせる。しかし反面、全てを犠牲にして実績を上げるために、心の温かさを育むことが出来ない。
スケープ・ゴート(Scapegoat)
自らの生贄。家族内の感情のゴミ箱のような存在。家の問題を「全てはこの子のせい」という幻想を抱かせ、家族の真の崩壊を防いでいる。暴れたり問題を起こす役割であると同時に、ケガや病気、精神病・人格障害を背負うことさえも役割の一環。家庭の内外で虐待・いじめのターゲットになりやすい子でもある。体を張って家庭の問題を外に出すことが最終的な役割。長男に多い。
ピエロ(Clown)
一人でふざけておどけたり、バカなことをしでかしては、関心を自分に引き寄せ、兄弟姉妹が犠牲者になるのを阻止する。
リトル・ナース(Little Nurse)
長女に多く、犠牲になった家族を守り、世話する。
イネイブラー(Enabler)
偽せ親。親の配偶者役、未熟な親に代わって兄弟の親をやってしまう子。
プラケーター(Placater)
なだめ役。小さいカウンセラー。暗い顔をして溜息をついている親(多くは母親)を慰める。末っ子に多い。
ロスト・ワン(Lost One)
いない子。家族内の人間関係を離れ、身の安全を守るため、見ざる聞かざる言わざる役に徹してしまう。
ロンリー(Lonely)
家族に理解されない悲しみを背負い、ひきこもる。
プリンス / プリンセス(Prince / -cess)
意思を無視して過剰に溺愛され、人形のように可愛がられ、甘やかされて育つ子。

ACの主なタイプの特徴

ヒーロー
外面 - 小さな親、小さな大人、生真面目、努力家
内面 - 心の傷、不適応感、罪悪感、過剰な自尊心
言動 - 他者に自分の評価を押し付け尊敬を得ようとする
弱点 - 仕事依存、依存的な人と結婚、人を支配し操作、完全主義
長所 - 自身の失敗を許容、自己に厳しく他者に寛大、管理職の適性
スケープ・ゴート
外面 - 反抗的、陰気、反感を買う行動、張り合わない
内面 - 心の傷、見捨てられ感、怒り、拒絶、不適応感、低い自己評価
言動 - 問題を起こし注目を集める、自虐自罰行為、自暴自棄
弱点 - アルコール等依存傾向、問題児、年少妊娠や犯罪の傾向
長所 - 現実の直視、立ち直る勇気、人を助ける力
ピエロ
外面 - 過度にかわいく子どもっぽい、家族の笑いと関心の対象、か弱くて保護を必要とする
内面 - 自己評価が低い、恐れ、孤独、無力感
言動 - ふざけ、ユーモア
弱点 - ひょうきん、ストレス処理が下手、いつもヒステリー寸前
長所 - 人あたりがいい、良き友人となる、頭の回転が速い、ユーモアのセンスがある、有能
ロスト・ワン
外面 - 顔を見なくても誰も気にしない、無口で陰気
内面 - 孤独、傷つき、見捨てられ、恐れ、あきらめ、挫折感
言動 - 少なくとも手がかからない、心配させないという意味では良い子
弱点 - 優柔不断、孤独、「NO」と言えない、行き当たりばったり
長所 - 自立している、才能豊かで創造的、はっきりしていて決断力に富む

学術的立場

AC理論と精神医学界

2009現在、全般的に日本の精神医学界ではAC理論とは距離を取っている。それは前述のACの定義から、社会でACは多数派であり、ACであっても社会生活に当面支障のない人が大半であることが理由とされている。心的苦しみが極度に進行し精神科治療が必要となった、虐待や喪失体験による心的障害だけが治療対象とされる場合が多い。したがって精神科の中にさえ「ACとは病気ではない」という見方をする医師もいる。

しかし一方では、一部にAC理論を正面から受け入れ、カウンセラーも兼任して患者と向きあい治療を行っている医師もいる。

アメリカ・イギリス・フランスなどでは、日本よりはるかに進んだ治療的取組みがなされており、またその方法論も洗練されている。

ACと精神疾患

ACは精神疾患名ではないが、ACと称し称される人々の中には精神疾患を有している人たちがいる。

うつ病・パニック障害・社会不安障害・全般性不安障害・解離性障害などの一軸上の問題、境界性人格障害・回避性人格障害・反社会性人格障害・演技性人格障害など二軸上の問題がそれらに当たる。

精神科治療では本来の病名と異なる「ぼんやりした病名」を患者に告げる悪しき習慣があり、自律神経失調症・周期性嘔吐症・慢性疲労症候群・起立性低血圧などがそれにあたる。

とくに二軸上の人格障害圏の問題を抱えた人たちは「人格障害圏」であるとの告知に激しい否認・拒否を示すことがあるため、同様にぼやかした言い方として「アダルトチルドレン」や「機能不全家族」といった呼称が治療者と患者のあいだの摩擦軽減のため便宜上用いられることがある。

ACと社会問題について

現在の社会問題である、子どもの不登校・引きこもり・家庭内暴力・若者がキレる・凶悪犯罪、などの現象はAC理論と密接に結びついているという見方が固まりつつある。これまでは、それぞれの現象は個別に研究されている傾向があったが、主としてメンタルケアを直接行っているカウンセラーなどのあいだで、児童期の養育環境・親子関係の問題として統合される過程にある。

著作活動による社会への理解

ACに関する文献は米英国を中心にいくつか出版され、国内ではそうした文献を翻訳していく中で、アルコール依存症の患者の治療で定評のある斎藤学の著作から広まっていったが、その本来的な意味である「アルコール依存症の人を主にする、機能不全家族の中での、幼少期のストレス体験を受けて育った者」という定義から離れて、マスコミなどで恣意的な逸脱した意味で流布されるようになった。

そのため、斎藤学は自らこの語を使うことを一切やめ、彼の設立した家族機能研究所も、この言葉との関係を現在では絶っている。そのかわり専門家のあいだでは、アメリカで自然発生的に人々のあいだに広まっていった「アダルトチルドレン」の原義を引き継ぐ言葉としてアダルトサヴァイヴァー(Adult Survivor)を用いられるようになってきている。

1990年代後半に入り、不景気と就職難を背景に社会的にメンタルな病気の増大とともに、ACも再度注目をうけるようになり、斎藤学、西尾和美、信田さよこ、長谷川博一などの著作や、いくつかの米英国人の著作を通してアダルトチルドレンの認識が広がりつつある。

しかし、マスコミによる誤情報の流布の影響もあり、AC問題は日本の社会においては正しい認知をされているとは言いがたい。

いっぽう、医療機関に属する心理カウンセラーなどのあいだでは、すでにAC概念は常識となっており、主な受け皿となっている。またACODAなどの全国自助グループもあり全都道府県で自助活動が行われ、まだまだ表舞台にいるとは云えないが、全国のAC問題を抱える人にとって一助となっている。

ACへの批判

AC問題は世間一般ではかなり誤解を受けており、批判も受けている。簡単な誤解としては「子どものような大人」、「大人になりきれていない未熟な人」などである。批判としては「いい年をして自分の未熟な部分を親のせいにするな」が代表的な例である(ただしこうした批判も、小此木啓吾や高橋龍太郎の著作によれば、一部のAC自称者に関しては的外れではない)。

こうした誤解・批判がAC問題に悩む人にとって解決への大きな足かせとなっている。専門家側からは概念の曖昧さが指摘されたり、ACOAと非ACOAの差が見られないとする報告もなされており、日本では主に精神分析に批判的な精神科医や臨床心理士がAC概念の有用性を疑問視している。

関連項目

  • 精神疾患
  • アダルトサヴァイヴァー
  • 人格障害
  • 境界性人格障害
  • 境界例
  • 機能不全家族
  • 児童虐待
  • 幼児虐待
  • 共依存
  • 性依存症
  • 仕事中毒
  • 自助グループ
  • インナーチャイルド
  • ワンダーチャイルド
  • 引きこもり
  • 過干渉

外部リンク

  • 21世紀家族研究所
  • 家族機能研究所
  • Adult Children Anonymous(ACA)
  • Adult Children of Dysfunctional Families Anonymous(ACODA)

脚注

  1. ^ Game Watch ニュース 2001年5月1日

参考文献

  • Harman, J.L.:"Trauma and Recovery", Basic Books, New York, 1992
  • Harvey, M.R.:"Memory Research and Clinical Practice - A Critique of three Paradigms and a Framework for Psychotherapy with Trauma Survivors", in 'Trauma and Memory', Thausand Oals;CL, Sage Publications, 1996
  • Trikett, P.K. & Putnam, F.W. "Developmental Consequences of Child Sexual Abuse", in 'Violence Against Children in the Family and Community', American Psychological Association, Washington D.C., 1998
  • 斎藤学『アダルトチルドレンと家族』学陽書房
  • 斎藤学『家族依存症』新潮文庫
  • 斎藤学『「家族」はこわい』新潮文庫
  • 西尾和美『アダルトチルドレンと癒し』学陽書房
  • 西尾和美『心の傷を癒すカウンセリング366日』講談社+α文庫
  • 西尾和美『機能不全家族』講談社
  • 信田さよ子『アダルトチルドレンという物語』文春文庫
  • 信田さよ子『愛情という名の支配』海竜社
  • 長谷川博一『たましいの誕生日−迷えるインナーチャイルドの生きなおしに寄り添う』日本評論社 1999年
  • 長谷川博一『あのとき、本当は……−封印された子どもたちの叫び』樹花舎 2004年
  • 東ちづる・長谷川博一『<私>はなぜカウンセリングを受けたのか―「いい人、やめた!」母と娘の挑戦』マガジンハウス 2002年
  • 赤木かん子『こころの傷を読み解くための800冊の本』自由国民社
  • 西山明『アダルト・チルドレン 自信はないけど、生きていく』三五館 1995年 ISBN 4883200663
  • 熊田一雄『“男らしさ”という病?ーポップ・カルチャーの新・男性学』風媒社
  • ハーバート・L.グラヴィッツ、ジュリー・D.ボーデン『リカバリー アルコール依存症の親を持つ成人した子どもたちへの手引』星和書店 1994年 ISBN 4791102673
  • クラウディア・ブラック『子どもを生きればおとなになれる』アスク・ヒューマン・ケア
  • クラウディア・ブラック『もちきれない荷物をかかえたあなたへ』アスク・ヒューマン・ケア
  • クラウディア・ブラック『私は親のようにならない』誠信書房
  • スーザン・フォワード『毒になる親』講談社
  • マーガレット・ラインホルド『親から自分をとり戻すための本』朝日文庫
  • ジョン・ブラッドショー『インナーチャイルド-本当のあなたを取り戻す方法』日本放送出版協会
  • 外川智子・船田真帆『私は私をあきらめない』メディアート出版