娘の家出(その2)

 

適切な幼児教育は後の
人間形成において大変重
要であると考えています
が注意していただきたい
ことがあります。
幼児教育は完璧な育児や
教育を推奨するものでは
ないということです。


 ・愛情が第一を忘れない
 ・他の子どもと比較をしない
 ・完璧主義にならない
 ・結果を期待しすぎない
 ・ゆったりとした心を持つ
 子どもへの過剰な期待は
 親子共に大きなストレス
 になる可能性があります。
 ゆったりと構え、少しくら
 い上手くいかなくても
 「まぁ、いっか。」
 位に考えられることが幼
 児教育を続けられるポイ
 ントになります。 

娘の家出(その2) ・幼児教育悩み相談Q&A

はやし浩司先生●京都にお住まいの

UNKNOWN様より
こんな相談をもらいました。

+++++++++++++++++++++

【UNKNOWN様より、はやし浩司へ】

高校2年の娘です。一人っ子。中学2年の時 離婚。中高一貫高のため 高校入試の苦労はあ
りませんでした。

今年の1月からお昼は家に帰れる近所のパートから、通勤で1時間かかる会社に正社員とな
りましが、その頃から学校を休みがちとなり、過食嘔吐を繰り返し、5月の連休には、リストカッ
トもし、家に帰らない事もありました。娘は学校をやめるつもりで定期試験は白紙解答。出席日
数もほとんどなく2年の1学期の成績は、ついていません。

それまで子どもについて ほとんど苦労をせずに来たので、やっと反抗期が来た!と思うようい
たいのですが、平日学校を休んでも家に居ることもなく、家のお金を持ち出し、化粧をして出か
ける。

ここだけは通っていると思っていた 近所の学習塾や歯医者さんへも行っていないと 先生か
ら連絡がある始末です(私には行っていると言っていたので信じていました)。
リストカット・過食嘔吐が激しくなり、メンタルクリニックに通っていますが、先生に薬の事で聞き
たいことがあり、一緒に行くと行ったら その日、本人は来ませんでした。(もう脳の萎縮が始ま
っています)。

メンタルの先生から私が家に居るのが良いと言われましたが、仕事を辞めたら生活が成り立
ちません。しかし 家でひとり何をしているのかわからず、不安になります。娘は私に居て欲しく
ないと言い、休日は娘は朝から出掛け、夜まで帰りません。今日は4時には帰ると言って出ま
したが、先ほど夕ご飯は外で、とメールが着ました。これでも少し前までは連絡もなかったので
良い方向と思いますが、どこに居るのか 帰りの時間は連絡してきません。

はやし先生のHPから、この半年 私は全く逆の事ばかりしてきました。無くなったお金の事を
問い詰め、将来を不安を口にし、自ら死を口にし、お父さんの所に行くようにも言いました(元
夫は再婚しています)。

娘はよく頑張ったと思います。

2学期からは学校に行くと言っています。

私が落着いて居られる時は 関係も穏やかなのですが、お金がなくなったり、娘が嘔吐を隠し
たりすると、ダメです。わざと傷つけるような事ばかり言い、最近では手も出たりしてしまいま
す。この前は娘の前で自分の首も締めました。最悪な母です。

来週のお盆の時 娘と実家に帰省する予定でしたが、娘は行きたくない。父親の所に行くと言
っていましたが、父親はまだ奥さんに話していない様子で そんな所に行かせて良いのか・・・。

両親からは、一緒に居ない方がお互いのためのようだから、父親に渡して、今年中には帰るこ
とも考えるように言われています。

暖かい無視と 許して忘れる。
1年後 2年後 を見据えて。
頭ではわかっていますが、ギリギリの生活、このまま京都で生活して行く自信もありません。

だらだらと長くなってしまいました。
娘からはまだ連絡はありません(まだ6時なので何度もメールするのも・・・電話も出ない。)
どうしてよいのか わかりません。

【はやし浩司より、UNKNOWN様へ】

 先ほどまで、電話を待っていましたが、電話がありませでしたので、自分の考えを
書いてみたいと思います。

 あなたはがんばりすぎている……。
それが私の第一印象です。
よくここまでひとりで、がんばってこられましたね。
あなたはあなたで、最善のことをしましたよ。
今も、懸命に、がんばっています。
だからここは肩の力を抜いて、気を楽にしてください。
あなたの娘さんは、もう子どもではありません。
すでに、つまりとっくの昔に、あなたの手を離れています。
あなたが親としてできることは、ほとんどないということです。
高校2年生という年齢は、そういう年齢です。

 娘さんの言葉に、もう少し耳を傾けてあげましょう。
娘さんが、「居て欲しくない」と言うなら、それをよいほうに解釈してあげましょう。
親として、自分の子どもが巣立っていくのを知るのは、さみしくも、つらいときです。
しかしそれも巣立ち。
みながみな、よい形で巣立っていくとはかぎりません。

 あなたは自分が感じている(さみしさ)を、別の形に、自分で勝手に変えているだけ
ですよ。
「娘さんに問題がある」というような書き方で、自分をごまかしているだけですよ。
娘さんのことを心配しているようで、実は、あなたはその(さみしさ)に耐えられない
でいるだけ。

 あのね、みんなさみしいのです。
孤独なのです。
しかしあなたの娘さんは、もっとさみしがっているのですよ。
心の拠り所さえ、ないのですから。
自分の心や体を休める場所(家庭)もない……。

 今のあなたにとっていちばん大切なことは、娘さんに、心の拠り所を用意してあげる
ことです。
娘さんが、安心して心を体を休める場所を、提供してあげることです。

 進学?
塾?
……もう、そんなものは、さっさと、あきらめなさい!
大切なことは、娘さんの(友)として、娘さんの横に立つことです。
娘さんの悲しみや苦しみや、さみしさを、あなたが共有してあげることです。
「あなたもさみしかったのね」「ごめんね」と、です。

 が、すぐには娘さんは、心を溶かさないかもしれません。
つっぱったまま、これから先、5年、10年と過ぎていくかもしれません。
しかし見返りを求めない。
捨て身で対処します。
捨て身ですよ!

 娘さんが、どんなにあなたを裏切っても、あなたはそれを受け入れます。
それを「無私の愛」といいます。

 あなたもその無私の愛を感じてみてください。
そこは実におおらかで、すばらしい世界ですよ。
また「許して忘れる」は、口で言うほど、簡単なことではありません。
苦しく、つらいものです。
少しぐらい「許して忘れて」、それで効果がなかったなどと、思ってはいけません。
どこまでも、どこまでも、「許して忘れます」。
それだけを繰り返します。

 で、あなたはあなたで、あなたの生きる道をさがします。
あと10年もすれば、老後ですよ!
わかりますか?
時間がありません。
目を娘さんから離して、あなたはあなたで前を見るのです。

 心配先行、不安先行、過関心、過干渉……。
娘さんにとっては、窮屈な家庭だったと思いますよ。
その上、離婚騒動に巻き込まれ、私もあなたの娘さんなら、「バカヤロー」と
叫んで、家を出ていくでしょうね。
しかしそれをする娘さんだって、つらいのです。

 今夜帰ってくるかもしれないし、帰ってこないかもしれません。
が、あなたができることは、暖かい夜食を用意し、寝床を用意することです。
そして帰ってきても、何も言わない……。
「暖かい無視」というのは、そういうことを言います。

 いいですか、あなたの娘さんは、もう(おとな)ですよ。
あるいはあなたが高校2年生のときのことを思い出してみてください。
それが今の、娘さんなのです。
あなたの思うようにならないからといって、また取り越し苦労を重ねたところで、
問題は何も解決しないでしょう。
さらに二番底、三番底へと、娘さんは、落ちていくだけです。

 たしかにあなたがしたことは、おとなげないというか、けっしてほめられるべき
ことではありません。
しかしあなたの娘さんなら、許してくれますよ。
だから娘さんを信じて、今日、この瞬間から、あなたは肩の力を抜いて、娘さんの
「友」になります。
娘さんのほうは、すぐには友として認めてくれないかもしれませんが、あきらめては
いけません。
こうした問題には、時間が必要です。
1年や2年は覚悟してください。

 あとは娘さんの人生ですから、あなたはあなたで、幸福を追求すればよいのです。
生きがいを見つけ、仕事を懸命にします。
今できることを、懸命にすればよいのです。
そういう意味で、あなたは本当に、よくがんばっています。
めげないで、がんばっています。
すばらしい人です。

 あのね、あのスティーブンソンは、こう書いています。
「宝島」を書いた、スティーブンソンです。
『我らが目的は成功することではない。失敗にめげず前に進むことである』とです。
今のあなたに、さしあげたい言葉です。

 いいですか、こんなことでめげてはいけませんよ。
何でもない問題ですから。
どこに家にでもある問題です。
自分の娘さんだけを見て、「どうしてうちの子だけが……」とは、思わないこと。
こうして娘さんは、あるいは子どもたちは、親離れをし、自立していきます。
おとなになっていきます。
ひょっとしたら、すでにあなたの娘さんは、あなたより、ずっとおとなかもしれません。
それを信じてあげなさい。

 そう、あなたは目が見える。
音が聞こえる。
歩くことができる。
話を聞くことができる。
……あなたは生きている。
娘さんも生きている。
そこを原点として考えてください。

ね、すばらしいことでしょ!

 要するにあなたが今、娘さんとの間で経験しているのは、家庭のドタバタです。
何でもない問題です。
が、あなたにはそれがわからない。
ささいなことを針小棒大に考えて、ひとりで大騒ぎしている……。
言うなれば、ひとり芝居。
そんな感じです。

 どなたか、相談できる人は、近くにいませんか?
話を聞いてくれる人がいるとよいですね。
その人も、同じことを言いますよ。

 だから、ここは、「許して忘れる」。
暖かい無視を大切に、あなたはあなたで、好き勝手なことをすればよいのです。
娘さんのことは、もう、構わないで……。
だいじょうぶですよ。
あなたの娘さんは、あなたが考えているより、はるかにおとなです。

 コツは、(今の状態)をこれ以上悪くしないことだけを考えて、対処すること。
あなたが騒げば騒ぐほど、逆効果ですから、注意してくださいね。

 電話で直接話したかったのですが、電話がありませんでしたので、メールで失礼
します。
なおたいへん申し訳ありませんが、電話での相談は、お断りしています。
電話番号は、忘れてください。
(気まぐれですみません。)

 今夜はこれで失礼します。
もしよかったら、私のHPの原稿を、片っ端から読んでみてください。
きっと気が楽になりますよ。

●子どもの問題・・・子どもに関する問題 ●親子の問題・・・親子に関する問題
●家庭の問題・・・夫婦家族に関する問題 ●その他・・・その他の問題


情報・画像の出展:はやし浩司先生

※このページの文章・及び画像の著作権は「はやし浩司」様が保有しています。
当サイトでは「はやし浩司」様のご厚意により許可を得て掲載させていただいております。

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