ピグマリオン効果

 

ピグマリオン効果について            

ピグマリオン効果は、1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタール(Rosenthal,R.)らの実験結果により注目されました。

子どもに対して期待をすると潜在的にその期待に応えようとする心理が働き、結果成績や能力が向上するというものです。

幼児教育の分野でもピグマリオン効果については関心が高く、子ども達の「やる気」「自信」に繋がるように導くことができると考えられているようです。

教師期待効果とも言われ、子どもは期待をされるとその期待に応えようと自然に行動するようになります。
※ロバート・ローゼンタールの実験に不備がみられ、実験結果が正確性に欠けると言う専門家もいるようです。


ロバート・ローゼンタールの実験
1964年春、教育現場での実験として、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明した。

しかし、実際のところ検査には何の意味もなく、実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子ども達だと伝えた。

その後、学級担任は、子ども達の成績が向上するという期待を込めて、その子ども達を見ていたが、確かに成績が向上していった。報告論文の主張では成績が向上した原因としては、学級担任が子ども達に対して、期待のこもった眼差しを向けたこと。

さらに、子ども達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』最終更新 2009年5月17日 (日) 11:52


例えば、運動が苦手な子どもに対して「○○は、やればできるんだよ。」といつも期待感のある言葉を繰り返し言われていると、運動に対して意識が向かうようになり、「やってみようかな」「やればできるんだ」という潜在意識が働き、「やってみよう」→「運動をする」→「運動能力が高まる」→「褒められる」→「もっとやろう」という良いサイクルを生むことになります。

大切なのは、自分で行動を起こさせるように導くこと、やる気にさせることです。
親の言葉は、子どもにとって強い力があります。
苦手意識のあることに対しても、親が「やればできる」と言うのなら、なんだか本当にできるのではないかという小さな「自信」も芽生えます。

ただ、「子どもに期待をする」という面ではやはり注意が必要だと考えています。
我が子に対して、「教育次第で天才になれる」という期待感が強すぎる場合、子どもの心や性格、引いては能力をも押しつぶしてしまうことにも繋がってしまうからです。

また、「やればできる」ではなく、「あなたはできる」という言い方の場合、やる気の向上が見られる場合もありますが、「僕(私)はできる、凄いんだ」という根拠のない自信を生んでしまうことになりますので、こちらも注意が必要です。

日ごろから、「やればできる」ことを一言添えてあげることで、「やる気」「自信」が向上します。
その「やる気」「自信」を上手く育ててあげることがその後の成長に大きな意味を持ちます。

子どもの成長は、性格や興味が大きく影響することは親であれば体感することでしょう。
好きなこと、自信や興味のあることには積極的な行動があるからこそどんどん伸びていきます。

「○○は、やればできるんだよ。」

この言葉を繰り返し聞いている内に、苦手意識のあることにでも「自信」や「興味」を少しづつ引き出し、自ら「行動」を起こすようになるという一つのきっかけになるのではないかと考えています。

どんなことにでも当てはまりますが、過剰なやり方ではなく、自然な感じで気長に考えてみて下さいね。



ピグマリオン効果概要
ピグマリオン効果については、人間は期待された通りに成果を出す傾向があることの現れとされ、1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって実験された。 ピグマリオンという名称は、ギリシャ神話を収録した古代ローマのオウィディウス『変身物語』("Metamorphosen"、訳に『転身物語』とも)第10巻に登場するピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したと言う伝説に由来する。


動物におけるピグマリオン効果
1963年ローゼンタールとフォードが大学で心理学の実験で、学生たちにネズミを使った迷路実験をさせるのに、ネズミを渡す際に、これはよく訓練された利巧な系統のネズミ、これはまったくのろまなネズミといって渡したところ、その二つのグループの間で実験結果に差異が見られた。前者のネズミを渡された学生たちは、ネズミを丁寧に扱い、後者のネズミを渡された学生たちは非常にぞんざいに扱い、その両者のネズミへの期待度の違いが実験結果に反映されたものとローゼンタールは考えた。そこで、これは教師と学生の間でもありうるのではないかと考えた。

人間におけるピグマリオン効果
1964年春、教育現場での実験として、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明した。しかし、実際のところ検査には何の意味もなく、実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子ども達だと伝えた。その後、学級担任は、子ども達の成績が向上するという期待を込めて、その子ども達を見ていたが、確かに成績が向上していった。報告論文の主張では成績が向上した原因としては、学級担任が子ども達に対して、期待のこもった眼差しを向けたこと。さらに、子ども達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されている。この詳細がまとめられた報告書は、Rosenthal, R. & Jacobson, L.:"Pygmalion in the classroom",Holt, Rinehart & Winston 1968として刊行された。

各種の批判
ロバート・ローゼンタールによる実験の方法をめぐっては批判もある。現在でも激しい議論がなされている。ロバート・ローゼンタールの実験に参加した教員は、実験の際、名簿はざっと一度見ただけであると言い、さらに名簿に記載された子ども達の氏名は記憶していなかった。スピッツの再実験においてはピグマリオン効果は認められないということで、再現性は否定されているとする学者もいる。

人間におけるピグマリオン効果では教師による依怙贔屓の問題、チートの問題と切り離せないとする学者もいる。

また、ピグマリオン効果は、教育にたずさわる者に対しての心得として説明されることがあるが、ピグマリオン効果は、「教師が学習者に対して教える」というのがおおまかな構図であるため、学習者が自ら学習を行っていくという視点が不足しているのではないかといわれることもある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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