「教師言葉は裏から読む」 はやし浩司先生の育児・教育指導
この世界には、「教師言葉」というのがある。
先生というのは、奥歯にものがはさまったような言い方をする。
たとえば能力が遅れている子どもの親には、決して「能力が遅れています」とは言わない。……言えない。言えば、たいへんなことになってしまう。
こういうとき先生は、「お宅の子どもは、運動面はすばらしいのですが……(勉強は、さっぱりできない)」「私のほうでも努力してみますが……(家庭で何とかしてほしい)」と言う。
あるいは問題のある子どもの親に向かっては、「先生方の間でも、注目されています……(悪い意味で目立つ)」「元気で活発なのはいいのですが……(困り果てている)」「私の力不足です……(もうギブアップしている)」「ほかの父母からの苦情は、私のほうでおさえておきます……(問題児だ)」などと言う。
ほかに「静かな指導になじまないようです……(指導が不可能だ)」「女の子に、もう少し人気があってもいいのですが……(嫌われている)」「協調性に欠けるところがあります……(わがままで苦労している)」「ほかの面では問題はないのですが……(学習面では問題あり)」というのもある。
一方、先生というのは、子どもをほめるときには、本音でほめる。
先生に、「いい子ですね」と言われたときは、すなおに喜んでよい。
先生は、おせじではほめない。
おせじを使わなければならない理由そのもがない。裏を返して言うと、もしあなたの子どもが、園や学校の先生にほめられたことがないというのであれば、子どものどこかに問題がないか、それを疑ってみたほうがよい。
幼児のばあい、一つの目安として、誕生パーティがある。
あなたの子どもが、ほかの子どもの誕生パーティによく招待されるならよし。
そうでないなら、かなりの問題のある子どもとみてよい。
実際、誰を招待するかを決めるのは親。
その親は、自分の子どもや先生から耳にする、日ごろの評判を基準にして、それを決める。
生々しい話になってしまったが、もともと教育というのは、そういうもの。
親と教師の価値観やエゴが、互いに真正面からぶつかり合う。
ふつうの世界と違うのは、そこに「子ども」が介在すること。
だから本音と建前が、複雑に交錯する。こうした教師言葉は、そういう世界から必然的に生まれた。
ある意味でやむをえないものかもしれない。
だいたいあなたという「親」だって、先生の前では本音を言わない。……言えない。言えば、たいへんなことになってしまう。それをあなたは、よく知っている。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー5
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。