「仮面をかぶらせるな」 はやし浩司先生の育児・教育指導
心(情意)と表情が遊離し始めると、子どもは仮面をかぶるようになる。
一般論として、情緒に何らかの障害のある子どもは、外から見たとき、何を考えているか、わかりにくくなる。
表面的にはよい子ぶったり、柔和な表情を浮かべて親や教師の言うことに従ったりする。しかし仮面は仮面。その仮面の下で、子どもは親や教師の印象とはまったく別のことを考えるようになる。これがこわい。
素直な子どもというのは、心と表情が一致し、性格的なゆがみのない子どものことをいう。不愉快だったら不愉快そうな顔をする。うれしいときには、うれしそうな顔をする。
そういう子どもを素直な子どもという。
が、たとえば家庭崩壊、育児拒否、愛情不足、親の暴力や虐待が日常化すると、子どもの心はいつも緊張状態に置かれ、そういう状態のところに不安が入り込むと、その不安を解消しようと、情緒が一挙に不安定になる。
突発的に激怒する子どももいるが、反対にそうした不安定さを内へ内へとためこんでしまう子どももいる。
そしてその結果、仮面をかぶるようになる。
一見愛想はよいが、他人に心を許さない。あるいは他人に裏切られる前に、自分から相手を裏切ったりする。
よくある例は、自分が好意をよせている相手に対して、わざと意地悪をしたり、いじめたりするなど。屈折した心の状態が、ひねくれ、いじけ、ひがみ、つっぱりなどの症状を引き起こすこともある。
そこでテスト。
あなたの子どもはあなたの前で、言いたいことを言い、したいことをしているだろうか。
もしそうであれば問題はない。
しかしどこか他人行儀で、よそよそしく、あなたから見て、「何を考えているかわからない」といったふうであれば、家庭のあり方をかなり反省したほうがよい。
子どもに「バカ!」と言われ怒る親もいる。
平気な親もいる。
「バカ!」と言うことを許せというのではないが、そういうことが言えないほどまでに、子どもをおさえ込んではいけない。
子どもの心は風船のようなもの。
どこかで力を加えると、そのひずみは、別のどこかに必ず表れる。
で、もしあなたがあなたの子どもに、そんな「ひずみ」を感ずるなら、子どもの心を開放させることを第一に考え、親のリズムを子どもに合わせる。
「私は親だ」式の権威主義があれば、改める。
そしてその時期は早ければ早いほどよい。
満6歳でこうした症状が一度出たら、子どもをなおすのに6年かかると思うこと。
満10歳で出たら、10年かかると思うこと。
心というのはそういうもので、簡単にはなおらない。無理をすればするほど逆効果になるので、注意する。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー4
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。