「子どもは社会の縮図」 はやし浩司先生の育児・教育指導
おとなの世界に4割の善と4割の悪があるなら、子どもの世界にも、4割の善と4割の悪がある。子どもの世界はまさにおとなの社会の縮図。
おとなの世界をよくしないで、子どもの世界だけをよくしようとしても、それはおとなの身勝手。
もっと言えば、ムダ。
子どもの世界をよくしようと考えたら、おとなの世界をよくする。
たとえばいじめにしても、非行にしても、おとなたちの世界にもそれがあるのに、どうして子どもに向かって、それをやめろと言えるのか。
子どもしてもはじめて読んだカタカナが、「ソープ」であったり「ホテル」であったりする(「クレヨンしんちゃん」)。
ただ悪があるから、悪いというのでもない。
もし人間がすべて、天使のようになってしまったら、この世界、何とつまらないものになってしまうことか。
善と悪のハバがあるから、この世界はおもしろい。無数のドラマもそこから生まれる。
旧約聖書の中にも、こんな説話が残っている。
ノアが、神にこう聞いたときのこと。「神よ、どうして人間を滅ぼそうとしているのか。(滅ぼすくらいなら)、最初から完全な人間をつくればよかった」と。
それに対して神は、「(人間に)希望を与えるため」と。
つまり人間は悪いこともするが、一方努力によって、神のような人間にもなれる。「それが希望だ」と。
私も若いころは、子どもの世界をよくしようとがんばったこともある。
しかし40歳になり、50歳になると、どんどんそういう気持ちは薄れた。
薄れて、その反対に、結局は問題の根源はおとなの世界にあることを知った。
「犠牲」という言い方はあまり好きではないが、子どもたちこそ、その犠牲者に過ぎない。
我欲と貪欲のウズに巻き込まれ、子どもたちにしっかりとしたビジョンを示せない私たちおとなのほうにこそ、その責任がある。
たとえば援助交際にしても、子どもたちにそれをやめろという前に、どうしておとなたちが、おとなに向かって、それをやめろと言わないのか。
あなたの友人や仲間が若い女の子と援助交際していても、みんな、見て見ぬフリをしている!
子どもの世界を見るときは、まずおとなの世界を見る。
何か問題が起きたら、「自分ならできるか」「自分はどうか」と自問してみる。
そしてここが重要だが、自分にできないことは、子どもに求めないこと。期待しないこと。
「子どもの世界は社会の縮図」というのは、そういう意味である。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー3
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。