「子どもが育てる」 はやし浩司先生の育児・教育指導
よく「育自」という言葉をつかって、「子育ては自分育て」と言う人がいる。
まちがってはいないが、子育てはそんな甘いものではない。
親は子どもを育てながら、いやおうなしに育てられる。
ある父親は、体の弱い息子(中1)と毎朝近くの湖の周囲をランニングした。
また別の母親は、子どもと毎週図書館通いをした。
その父親や、母親はこう言った。「自分のためだけなら、そこまではしなかった」と。
とくにできの悪い子(失礼!)をもった親ほど、子どもに育てられる。
子育てというのはそういうものだが、こんな例もある。
自分の子ども(2歳男児)が、重い病気にかかり、生死の境目をさまよったとき、その母親は、「自分の命はどうなってもよいから、息子の命を救ってほしい」と、自分の心の中で祈りつづけたという。
こうしたことはあってはならないことだが、しかし自分の命すらも惜しくないという深い愛は、人は子どもをもってはじめて知る。
親が子どもを育てるというのは、とんでもない誤解。
子どもが親を育てる。
はじめて子どもを園へ連れてくるような母親は、たしかに若くてきれいだが、どこかツンツンとしていて、中身がない(失礼!)。
バスの運転手さんや炊事室のおばさんにだと、あいさつもしない。
しかしそんな親でも、子育てで苦労をしながら、野を越え、山を越え、そして谷を越えるうちに、しだいに姿勢が低くなる。人間的な丸みができてくる。
子どもに育てられることを恐れてはいけない。
またそれが恥ずかしいことだと思う必要もない。
むしろ実際には、子どもに教えを請うつもりで、子どもに接するとよい。
子どもは未熟だとか、未完成だとか、そういうふうに決めてかかってはいけない。
むしろ子どもの世界のほうにこそ、真理が隠されていることがある。
私も自分の子育て論でわからないところがあると、子どもの世界へ入って、そこで考えるようにしている。それだけではない。
子どもと接していると、何が大切で何が大切でないか、それを教えられることがある。あるいは忘れかけていた感動や生きる力を教えられることもある。
子どもが親を育てる……。
もっともそれがわかるようになるのは、子育ても終わるころになってからだが、あなたも一度そういう謙虚な気持ちで、あなたの子どもと接してみてはどうだろうか。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー3
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。