「子育ての「時」は急がない」 はやし浩司先生の育児・教育指導
時の流れは不思議なものだ。
そのときは遅々として進まないようにみえる時の流れも、過ぎ去ってみると、あっという間のできごとのようになる。
子育てはとくにそうで、大きくなった自分の子どもをみると、乳幼児のころの子どもが本当にあったのかと思うことさえある。もちろん子育ては苦労の連続。
苦労のない子育てはないし、そのときどきにおいては、うんざりすることも多い。
しかしそういう時のほうが、思い出の中であとあと光り輝くから、これまた不思議である。
昔、ロビン・ウィリアムズが主演した映画に、『今を生きる』というのがあった。
「今という時を、偽らずに生きよう」と教える高校教師。一方、進学指導中心の学校側。
この二つのはざまで一人の高校生が自殺に追い込まれるという映画である。
この「今を生きる」という生き方が、ひょっとしたら日本人に、一番欠けている生き方ではないのか。
ほとんどの親は幼児期は小学校入学のため、小学校は中学校入学のため、中学や高校は大学入試のため、と考えている。
子どもも、それを受け入れてしまう。
こうしたいつも未来のために「今」を犠牲にする生き方は、一度身につくと、それがその人の一生の生き方になってしまう。
社会へ出てからも、先へ進むことばかり考えて、今をみない。
結果として、人生も終わるときになってはじめて、「私は何をしてきたのだろう」と気がつく。実際、そういう人は多い。
英語には『休息を求めて疲れる』という格言がある。
愚かな生き方の代名詞にもなっているような格言だが、やっと楽になったと思ったら、人生も終わっていた、と。
大切なのは、「今」というときを、いかに前向きに、輝いて生きるか、だ。
もし未来や結果というものがあるとするなら、それはあとからついてくるもの。
地位や肩書きや名誉にしてもそうだ。
まっさきにそれを追い求めたら、生き方が見苦しくなるだけ。子どももしかり。
幼児期にはうんと幼児らしく、少年少女期には、うんと少年や少女らしく生きることのほうが重要。
親の立場でいうなら、子どもと「今」という時を、いかに共有するかということ。そのためにも、子育ての「時」は急がない。今は今で、じっくりと子育てをする。そしてそれが結局は、親子の思い出を深くし、親子のきずなを深めることになる。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。