「子どもへの禁止命令」 はやし浩司先生の育児・教育指導
「〜〜をしてはダメ」「〜〜はやめなさい」というのを、禁止命令という。
この禁止命令が多ければ多いほど、「育て方」がヘタということになる。
イギリスの格言にも、「無能な教師ほど、規則を好む」というのがある。
家庭でいうなら、「無能な親ほど、命令が多い」(失礼!)ということになる。
私も子どもたちを教えながら、この禁止命令は、できるだけ使わないようにしている。
たとえば「立っていてはダメ」というときは、「パンツにウンチがついているなら、立っていていい」。
「騒ぐな」というときは、「ママのオッパイを飲んでいるなら、しゃべっていい」と言うなど。
また指しゃぶりをしている子どもには、「おいしそうだね。先生にも、その指をしゃぶらせてくれないか?」と声をかける。
禁止命令が多いと、どうしても会話がトゲトゲしくなる。そしてそのトゲトゲしくなった分だけ、子どもは心を閉ざす。
一方、ユーモアは、子どもの心を開く。
「笑えば伸びる」というのが私の持論だが、それだけではない。心を開いた子どもは、前向きに伸びる。
イギリスにも、「楽しく学ぶ子どもは、もっとも学ぶ」(Happy Learners Learn Best)というのがある。
心が緊張すると、それだけ大脳の活動が制限されるということか。
私は勝手にそう解釈しているが、そういう意味でも、「緊張」は避けたほうがよい。
禁止命令は、どうしてもその緊張感を生み出す。
一方、これは予断だが、ユーモアの通ずる子どもは、概して伸びる。
それだけ思考の融通性があるということになる。俗にいう、「頭のやわらかい子ども」は、そのユーモアが通ずる。
以前、年長児のクラスで、こんなジョークを言ったことがある。
「アルゼンチンの(サッカーの)サポーターには、女の人はいないんだって」と私が言うと、子どもたちが「どうして?」と聞いた。そこで私は、「だってアル・ゼン・チン!、でしょう」と言ったのだが、言ったあと、「このジュークはまだ無理だったかな」と思った。で、子どもたちを見ると、しかし1人だけ、ニヤニヤと笑っている子どもがいた。
それからもう4年になるが、(というのも、この話は前回のワールドカップのとき、日本対アルゼンチンの試合のときに考えたジョーク)、その子どもは、今、飛び級で2年上の子どもと一緒に勉強している。
反対に、頭のかたい子どもは、どうしても伸び悩む。
もしあなたに禁止命令が多いなら、一度、あなたの会話術をみがいたほうがよい。
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。