「遅れたら、「核」づくり」 はやし浩司先生の育児・教育指導
ときとして子どもは、学校の勉強に遅れることがある。
(「遅れる」という言い方は、本当に不愉快だが……。)それはちょっとした油断でそうなるが、そうなったときの鉄則が、これ。「核」をつくる。
たとえば算数の力が遅れたとする。
たとえば小1で足し算、引き算につまづいて、子どもが自信をなくしたようなとき。
そういうときは、つぎに学ぶ掛け算なら掛け算を、前もって徹底的に教える。
あれこれ全体に教えるのではなく、掛け算なら掛け算を、「これなら人には絶対負けない」という状態にする。つまり立ちなおりのきっかけをつくる。私はこれを「核づくり」と呼んでいる。
これは一例だが、この方法は、子どもが何かでつまづいたとき、いろいろに応用できる。
どこかに書いた「一芸論」もそうだが、反対に子どもをオールマイティにしようとすると、失敗する。
さらに言いかえると、子どもがつまづくというのは、そもそも親側に問題があるとみる。
親が子どもをオールマイティにしようとして、結局は子どもを袋小路に追い込んでしまう。
年長児を過ぎるころから、子どもにも得意、不得意ができてくる。できて当たり前。
この当たり前のことがわからない。算数も、英語も、その上、体操も、音楽も……とやりだす。
こうした無理が、……というより、飽食的な子育て観が子どものやる気をつぶす。
そして子どもはあちこちで、同時多発的につまづき始める。
わかりやすく言えば、「二兎を追うもの、一兎も得られず」ということだが、そういうときは、「一兎」に的をしぼる。算数も国語もと考えるのではなく、まず算数なら算数だけとする。
その算数の中でも、掛け算なら掛け算だけとする。
子どもというのはおもしろいもので、得意な一教科が沈みはじめると、ほかの教科全体も沈みはじめる。が、一教科だけがぐんぐんと伸び始めると、ほかの教科もそれにつられて伸びるということがよくある。
ほかの教科をとくに勉強しなかったとか、したというわけでもないのに、そうなる。
たとえば英語だけがぐんぐんと伸び始めると、数学をとくに勉強したわけでもないのに、数学も伸び始めるなど。私はこれを「相乗効果」と呼んでいるが、
こうした現象は子どもの世界では珍しいことではない。
そういうことも考えながら、「核」づくりを大切にする。
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。