「子どもの緩慢行動」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子どもには子どもらしい、自然な動きというものがある。
どこかどうというわけではないが、その自然さが消えたら、何か心の変調を疑ってみる。
その一つが、緩慢行動。
抑圧された精神状態が、日常的につづくと、子どもは独特の症状を示すようになる。
たとえば緩慢行動。緩慢動作ともいう。
動作そのものが鈍くなり、機敏な行動ができなくなる。
全体にノソノソ、あるいはノロノロとした動きになる。たとえばB君が忘れものをしたとする。
そのとき先生が、A君に向かって、「これ、B君にもっていってあげて!」と言ったとする。
ふつうなら(「ふつう」という言い方は適切ではないが……)、子どもはパッと腰をあげ、B君のあとを追いかけたりする。
しかしこのタイプの子どもは、それができない。
明らかにワンテンポ遅れた様子で、ノソノソと立ちあがったりする。
そこで先生のほうが、またA君に向かって、「急いで!」と号令をかけるのだが、その号令にも反応しない。よく観察すると、体の動きそのものが、子どもの意思とは無関係に動いているのがわかる。
こうした症状が見られたら、家庭教育のあり方をかなり反省する。
威圧的な過関心や過干渉など。
ほかに(1)顔から生彩が消え、
(2)子どもらしいハツラツさが消え、
(3)ため息、無気力症状など、気うつ症的な症状をともなうことが多い。緩慢行動を、神経症の一つにあげる学者も多い。
こうしたケースで、指導がむずかしいのは、子どもというより、親にその自覚がないこと。
たいていの親は、「生まれつき」という言葉を使う。
そして動作が緩慢なのは、子ども自身の問題であるとして、子どもを叱ったりする。しかし叱れば叱るほど逆効果。子どもの動作はますます緩慢になる。
また原因は、家庭環境全体にあるので、その家庭環境全体を改めなければならない。しかし実際問題として、それは不可能に近い。子どもをなおすより、親をなおすほうが、ずっとむずかしい。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー11
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。