「図書指導の充実を」 はやし浩司先生の育児・教育指導
「考える子ども」を育てる人の方法として、図書指導がある。
アメリカのほとんどの小学校では、週1回、1時間程度の図書指導をしている。
彼らはそれを「ライブラリィ(の時間)」と呼んでいる。
それを指導ずるのが、専門のライブラリアン(司書)。
そのライブラリアンが、生徒一人ひとりの方向性とレベルに合わせて、本を貸し与え、その読書指導をしている。私の息子の嫁の母親が、その仕事をしている。
その母親に話を聞くと、こう教えてくれた。
「毎週その子に合わせた本を貸し与え、つぎの週に、その本についてのレポートを書かせている」と。私が「ライブラリィの授業は、必須科目か」と聞くと、「そうだ」と。
アメリカでは、移民国家というだけあって、多様性を認めない教育というのは、それ自体が反アメリカ的であると判断される。
日本でいう画一教育など、考えられない。
今では、人種、性別、皮膚の色などで相手を差別しようものなら、それだけで処罰される。
あらゆる公文書にも、そのように明記してある。(明記しなければならないというのは、それだけまだ差別意識が残っているということにもなるが……。)
学校教育とて例外ではない。
今、アメリカでは、学校の設立そのものが自由化されている。
また学校にしても、親と教師が話しあって、自分たちでカリキュラムを組むこともできる。日本の教育も自由化されつつあるとはいえ、「今」というこの段階においても、比較にならない。
つまりアメリカでは、制度的にも、子どもたちのもつ「自由意識」が最大限、尊重されている。
東大の元教授が「日本の大学生とアメリカの大学生はおお違いです」というときの「違い」は、こうした背景から生まれるものとみてよい。
ただもう一点補足するなら、アメリカも含めてほとんどの欧米の国々では、大学生は、受講する講座について、1講座ずつ「買う」という意識がある。(まとめて買うということがふつうだが……。)しかもその「買う」ための費用には奨学金であてる。
そのため彼らにしてみれば、「どこの大学へ入ったか」ということよりも、「どこでどの程度の奨学金を得るか」ということのほうが、重要な関心ごとになる。
こうしたシステムの上に大学教育が成り立っているから、学ぶ学生も必死なら、教える教官も必死である。
講座を買ってくれる学生がいなければ、その講座は閉鎖される。つまり教官自身が職を失うということになる。
日本の大学生のように、親のスネをかじって……、というのとはまさに「おお違い」というわけである。
子どもの多様性を認めるとか認めないとかいう議論は、もう古い。
子どもというのは生まれながらにして、多様であるという前提で、教育を組み立てる。
一律の算数教育、一律の国語教育、そして一律の学年制。
そのどれをとっても、もう時代錯誤としか言いようがない。
そのひとつの例として、「ライブラリー」の授業をあげてみた。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー11
NO’241〜NO’264
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
※このページの文章・及び画像の著作権は「はやし浩司」様が保有しています。
当サイトでは「はやし浩司」様のご厚意により許可を得て掲載させていただいております。
【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。