「「今」の価値を忘れない」 はやし浩司先生の育児・教育指導
未来はあるという。過去はあるという。
……しかし、どこにあるのか?
「未来はある」と思っている人も、「過去はある」と思っている人も、もう一度、冷静に考えてみてほしい。どこにあるのか、と。
未来にせよ、過去にせよ、それは人間がバーチャルな世界で勝手につくりあげた概念で、実のところ、どこにもない。あるのは「今」という現実のみ。
どこまでも、どこまでも「今」という現実のみ。
「現在」はあくまでも、いままでの「結果」でしかない。
そして未来があるとするなら、それは「現在」の結果でしかない。
……とまあ、こんなことを書くと、「はやし浩司は頭がおかしい」と思う人がいるかもしれない。
私とて、こう書きながら、そこまで厳格に考えているわけではない。
ただ人間は、過去にしばられるのもよくないし、また未来のために今を犠牲にするのもよくないということ。あくまでも「今」を大切にして生きる。
どこまでも、どこまでも、「今」を大切にして生きる。もう少しわかりやすい例で考えてみよう。
一人の子どもがいる。
その子どもは、今、懸命に遊んでいる。
大切なことは、その子どもが今、懸命に生きているという事実なのだ。
一方、こういう子どもがいる。幼稚園児のときは、小学校入学のため、小学校生のときは中学や高校へ入学するため。そして高校生のときは大学へ入学するため。さらに大学生のときは就職するためと、いつも未来(?)のために「今」を犠牲にしている。
人生が永遠に保証されるならまだしも、しかしこういう生き方をしていると、いつまでたっても「今」をつかむことができない。
気がついたときには、人生が終わっていた……、と。中には自分の子ども(中1男子)に向かって、こんなことを言う親だっている。
「あんたを高い月謝を払って、幼稚園児のときから英語教室へ通わせたけど、ムダだったわね」と。
その子どもがはじめての英語のテストで、悪い成績をとってきたときのことだった。
こうしたものの考え方は、どこかおかしいが、そのおかしさがわからないほど、日本人は、独特の過去観、未来観をもっている。
来世、前世思想に代表される、日本独特の仏教観の影響とも考えられる。
「空から伊勢神宮の御札が降ってきた。こりゃなんか、ええことがあるぞ。まあ、ええじゃないか」と。
今には今の価値がある。
大切なことは、今というこの時点において、いかに自分を燃焼させて生きるかということ。
結果は結果。結果かはあとからついてくる。ついてこなくてもかまわない。
今やるべきことを、懸命にすればよい。「今を生きる」というのは、そういうことをいう。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー10
NO’217〜NO’240
●新居の関所 | ●一芸論 |
●便利な世界 | ●一芸は聖域 |
●案ずるより産むがやすし | ●フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ |
●威圧で閉じる子どもの耳 | ●勉強が苦手な子ども |
●よい子論 | ●「今」の価値を忘れない |
●子どもの家出 | ●ええじゃないか |
●現場主義 | ●子どもの創造力 |
●子どもの意地 | ●習うより慣れる |
●子どもの自我 | ●子どもの嫉妬 |
●いじめられっ子は徳をつむ? | ●子どもの闘争心 |
●ホームスクール | ●権威主義者 |
●いたずらとジョーク | ●無限ループの世界 |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。