「フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ」 はやし浩司先生の育児・教育指導
勉強が空回りするようになると、子どもはフリ勉、ダラ勉、時間ツブシをするようになる。
フリ勉というのは、いかにも勉強していますというような様子だけを見せる勉強をいう。
しかしその実、何もしない。
ダラ勉というのは、簡単な計算問題を10〜30分もかけてするなど。
あるいは描かなくてもよいようなグラフを、いつまでも描きつづけたりする。
さらに時間ツブシというのは、勉強のあいまに、シャーペンの芯を出したり入れたり、ときにあちこちに落書きをしたりしながら時間をつぶすことをいう。
小学校の低学年で一度、こういう症状を見せると、その修復はたいへんむずかしい。
それがその子どもの勉強方法として定着してしまうからである。
無理、強制が日常的につづくと、子どもはそうなるが、この段階でそれに気づく親はまずいない。
「やればできるはず」「そんなはずはない」と子どもを追い立てる。
その悪循環がますます子どもをして、勉強から遠ざける。
では、どうするか。
一度、こういう症状を示し始めたら、あきらめる。
つまりそれがその子どもの能力と思い、あきらめる。しかもその時期は早ければ早いほどよい。
小学1年生でも早過ぎるということはない。……と書くと、たいてい「まだ一年生ですよ!」と言う親がいる。
しかし1年生だから、あきらめる。
もう少し年齢が大きくなって、自意識でコントロールできるようになると、自分で勉強に向かうようになる。
しかしその前に勉強グセをつぶしてしまうと、ここに書いたように修復そのものがむずかしくなる。(あるいは不可能になる。)
が、それで終わるわけではない。
さらに症状が進むと、ごまかすのがうまくなる。学校ではいつもカンニングをして、その場をごまかすようになる。
しかもそれが天才的に(?)うまくなる。
先生の目を盗み、隣の子どもの答などを、そのまま丸写しにしたりする。小学2年生で、このタイプの子どもは、20人もいれば必ず1人はいる。もうこうなると、学力が身につくことなど、望むべくもない。
要はそういう子どもにしないこと。
そのためには無理、強制を避ける。動機づけ(子どもに興味をいだかせるような努力)をしっかりとしながら、達成感(やり遂げたという喜び)を感じさせながら、少しずつ学習に向かわせる。
それはある意味でたいへんなことだが、子どもに勉強させるのは、それくらいたいへんなことだということを、まず親が自覚すること。またその前提で、子どもの勉強を考えること。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー10
NO’217〜NO’240
●新居の関所 | ●一芸論 |
●便利な世界 | ●一芸は聖域 |
●案ずるより産むがやすし | ●フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ |
●威圧で閉じる子どもの耳 | ●勉強が苦手な子ども |
●よい子論 | ●「今」の価値を忘れない |
●子どもの家出 | ●ええじゃないか |
●現場主義 | ●子どもの創造力 |
●子どもの意地 | ●習うより慣れる |
●子どもの自我 | ●子どもの嫉妬 |
●いじめられっ子は徳をつむ? | ●子どもの闘争心 |
●ホームスクール | ●権威主義者 |
●いたずらとジョーク | ●無限ループの世界 |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。