「現場主義」 はやし浩司先生の育児・教育指導
絵でもアトリエで描く絵と、現場で写生しながら描く絵がある。(それ以外にもあるが……。)教育論も、部屋に閉じこもって書く教育論と、現場で子どもたちを見ながら書く教育論がある。
私のばあい、子どもたちを直接見ながらでないと、その教育論が書けない。
たとえば一週間も休みがつづいたりすると、原稿そのものが書けなくなることがある。(教育論というよりは、子育て論に近いが……。)そういう私の教育論の書き方を、私は勝手に、現場主義と呼んでいる。
この現場主義にはいろいろな意味がある。
生々しい話は現場でないと書けないという意味のほか、現場でないと、「発見」「修正」「発展」を繰り返すことができないという意味。
たとえばどうも様子がほかの子どもと違う子どもを見つけたとする。それは「発見」ということになる。
で、原因をあれこれ考えながら、一つの仮説を頭の中で考える。
もっとも30年以上も子どもたちを見つづけていると、どの子どもも、ある一定のパターンに分類することができる。
そのパターンに分類しながら、自分の意見をまとめる。しかし簡単にはまとめられない。子どもとて、人間。いろいろな環境や要因が複雑にからみあっている。
同じ過保護児といっても、症状はまさに千差万別。そこで自分の意見に、修正や訂正を加える。
そのときも目の前に子どもを見ていないとできない。その修正や訂正を加えながら、さらにその奥へと切り込んでいく。これが「発展」ということになる。
これは私が教育論を書くときの「方法」であるが、それは同時に私の「強み」でもある。
ほとんどの教育評論家は、実際には子どもと接していないか、あるいは接していても、その量そのものがきわめて少ない。大学の教授と言われる人になると、ほとんど接していない。
先日もある幼稚園で講演をしたら、「○○大学附属幼稚園」となっていた。
園長はその大学の教授ということだった。
そこで私が「園長はよく来るのですか」と聞くと、女性の副園長(実際にはその副園長がその幼稚園を取りしきっている)は、こう言った。
「たまにね。それに来ても、お客様ですから……」と。で、その道の専門家と議論しても、「私ほど現場を踏んだものはいない」という事実が、私をうしろから支えてくれる。
私は毎日、子どもたちと接している。
もしそういう経験がなかったら、私はこうまで自分の意見をまとめることはできなかっただろうと思う。
それにまだある。子どものことで何かわからないことがあると、私はすぐ、子どもたちに問いかけることにしている。
本でもなければ、参考書でもない。子どもたち自身にである。
つまり子どもたち自身が私の先生ということになる。考えてみれば、これも現場主義ということか。
少しコマーシャル的になったが、ここに書いているようなアドバイスは、私の現場主義から生まれたものである。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー10
NO’217〜NO’240
●新居の関所 | ●一芸論 |
●便利な世界 | ●一芸は聖域 |
●案ずるより産むがやすし | ●フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ |
●威圧で閉じる子どもの耳 | ●勉強が苦手な子ども |
●よい子論 | ●「今」の価値を忘れない |
●子どもの家出 | ●ええじゃないか |
●現場主義 | ●子どもの創造力 |
●子どもの意地 | ●習うより慣れる |
●子どもの自我 | ●子どもの嫉妬 |
●いじめられっ子は徳をつむ? | ●子どもの闘争心 |
●ホームスクール | ●権威主義者 |
●いたずらとジョーク | ●無限ループの世界 |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。