「読書のしつけ」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子どもの読書のしつけについて、いくつかのコツがある。
(1) まず方向性を知る
子どもには子どもの方向性がある。その方向性をうまく利用する。
たとえばサッカーが好きな子どもには、サッカーの本を与える。
ゲームが好きな子どもなら、ゲームの攻略本でもよい。
児童文学書などを無理に与えても、たいてい失敗する。私もあの文学者の書いた本が、どうも性に合わない。最近はほとんど読んだことがない。(これはたまたま私が出会った文学者というのが、どの人もまともでないという印象を受けたためだと思う。)
(2) レベルをさげる
つぎに子どもに与える本は、思い切って一、二年、レベルをさげる。
親は書店へ行くと、どうしても一、二年レベルの高い本に手を子どもに買い与えようとする。
しかしちょっとしたこの無理が、子どもを本から遠ざける。
しかし子どもを本好きにさせようと考えるなら、レベルをさげる。(もともとレベルというのは、いいかげんなものだということもあるが、いわゆる児童文学者というのは、本当に子どものレベルを知っていて本を書いているのではない。せいぜい漢字の使い方で、年齢別にしているに過ぎない。)
(3) 教科書がよい
本を買うなら、少し大きな書店へ行くと、いろいろな学校の教科書を売っている。
どうせ買い与えるなら、教科書がよい。内容も吟味されているが、値段も安い。
何も国語の教科書に限らない。算数でも社会でもよい。理科でもよい。
最近の教科書は子どもが楽しみやすいように工夫してあるので、読み物としてもそれなりにおもしろい。
(4) まず親が読んでみせる
子どもに本を与えるときは、まず親がおもしろそうに読んでみせる。これを動機づけという。
動機づけがうまくいくと、あとは子どもが自らの力で本を読むようになる。こうなればしめたもので、あとは子ども自身に任せればよい。
なおちなみに経済協力開発機構(OECD)が調査した「学習到達度調査」(PISA・2000年調査)によれば、「毎日、趣味で読書をするか」という問いに対して、日本の生徒(15歳)のうち、53%が、「しない」と答えている。この割合は、参加国32か国中、最多であった。
また同じ調査だが、読解力の点数こそ、日本は中位よりやや上の8位であったが、記述式の問題について無回答が目立った。
無回答率はカナダは5%、アメリカは4%。しかし日本は29%! 文部科学省は、「わからないものには手を出さない傾向。意欲のなさの表れともとれる」(毎日新聞)とコメントを寄せている。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー9
NO’193〜NO’216
●自分を知る | ●汗はかかせる |
●教育と指導 | ●あせる親は結論も早い |
●いい学校から、いい家庭へ | ●遊びが子どもの仕事 |
●疑いをいだかない愛 | ●思考回路 |
●愛情は落差の問題 | ●構造的な問題 |
●愛想は悪くて当たり前 | ●知識と学力 |
●子どもへの虐待 | ●頭を良くする方法 |
●あきらめは悟りの境地 | ●読書のしつけ |
●悪筆、言ってなおらず | ●あと一歩でやめる |
●普通こそ最善 | ●個性は生きザマ |
●それ以上、何を望むか | ●アルバムをそばに置く |
●己こそ、己のよるべ | ●前向きの暗示を |
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。