「トラブルは親に聞く」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子どものことでトラブルが起きたら、一に静観、ニに静観、三、四がなくて、五に親に相談。
少子化の流れの中で、親たちは子育てにますます神経質になる傾向をみせている。
そうであるからこそなおさら、「静観」。
子どもにキズがつくことを恐れてはいけない。
子どもというのはキズだらけになって成長する。で、ここでいう「親」というのは、一、二歳年上の子どもをもつ親をいう。
そういう親に相談すると、「うちもこんなことがありましたよ」「あら、そうですか」というような会話で、ほとんどの問題は解決する。
話が少しそれるが、私は少し前、ノートパソコンを通信販売で買った。
が、そのパソコンには一本のスリキズがついていた。最初私はそのキズが気になってしかたなかった。
子どももそうだ。子どもが小さいうちというのは、ささいなキズでも気になってしかたないもの。こんなことを相談してきた母親がいた。
何でもその幼稚園に外人の講師がやってきて、英会話を教えることになったという。
それについて、「先生はアイルランド人です。ヘンなアクセントが身につくのではないかと心配です」と。
子育てに関心をもつことは大切なことだが、それが度を超すと、親はそんなことまで心配するようになる。
さらに話がそれるが、子どものことでこまかいことが気になり始めたら、育児ノイローゼを疑う。
症状としては、つぎのようなものがある。
(1)生気感情(ハツラツとした感情)の沈滞、
(2)思考障害(頭が働かない、思考がまとまらない、迷う、堂々巡りばかりする、記憶力の低下)、
(3)精神障害(感情の鈍化、楽しみや喜びなどの欠如、悲観的になる、趣味や興味の喪失、日常活動への興味の喪失)、
(4)睡眠障害(早朝覚醒に不眠)など。さらにその状態が進むと、Aさんのように、
(5)風呂に熱湯を入れても、それに気づかなかったり(注意力欠陥障害)、
(6)ムダ買いや目的のない外出を繰り返す(行為障害)、
(7)ささいなことで極度の不安状態になる(不安障害)、
(8)同じようにささいなことで激怒したり、子どもを虐待するなど感情のコントロールができなくなる(感情障害)、
(9)他人との接触を嫌う(回避性障害)、
(10)過食や拒食(摂食障害)を起こしたりするようになる。
(11)また必要以上に自分を責めたり、罪悪感をもつこともある(妄想性)。
こうした兆候が見られたら、黄信号ととらえる。
育児ノイローゼが、悲惨な事件につながることも珍しくない。子どもが間にからんでいるため、子どもが犠牲になることも多い。
要するに風とおしをよくするということ。
そのためにも、同年齢もしくはやや年齢が上の子どもをもつ親と情報交換をするとよい。とくに長男、長女は親も神経質になりやすいので、そうする。……そうそう、そう言えば、今では私のパソコンもキズだらけ。
しかし使い勝手はずっとよくなった。そういうパソコンを使いながら、「子どもも同じ」と、今、つくづくとそう思っている
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー8
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。