「3つの依存心」 はやし浩司先生の育児・教育指導
日本ではよく、「人はひとりでは生きていかれない」と言う。
それはそのとおりで、人はいつも何かに依存しながら生きている。
「私は自由人だ」「私は天涯孤独だ」「私はだれにも頼らず生きている」と言う人ですら、何かに依存して生きている。
で、その依存するものだが、人によって、大きくつぎの三つに分けられる。
(1)ものやお金など、「形」に依存する人
(2)地位や肩書き、学歴や家柄など、バーチャルなものに依存する人
(3)自分自身に依存する人、である。
よく財産や仕事をなくしてガタガタになる人や、宗教から離れてガタガタになる人がいる。
これらの人は、つまるところ「自分を離れたもの」に依存するから、そうなる。……、いや、だからといって、ガタガタになるのが悪いというのではない。
だれしも、それぞれの分野で、ある程度は依存している。宝くじですらそうだ。
買ったときには、「当たれば……」とだれしも思い、ハズれたときには、だれしもがっかりする。
しかし自分を本当に強くするには、自分自身に依存するしかない。「私」という「自分」なら、私を裏切らない。私を去ることもない。
そこで「自分」とは何かということになる。
もっと言えば、「自分が依存し、その一方で自分を支える自分」は、何かということになる。
その一つのヒントとして、私にはこんな経験がある。
もう25年近くも前のことだが、私はある雑誌で、あるカルト教団を批判したことがある。が、その直後からものすごい抗議の嵐。
私たち夫婦は、「地獄へ落ちる」とか、「夜道を歩くときは気をつけろ」と毎日のようにおどされた。
そして事実、私たちは何か得体のしれないものにおびえた。
が、それがきっかけで、そのカルト教団についての本を5冊も書くことになってしまった。(もちろんペンネームで、だが。)しかしその結果、そのカルト教団が、ご多分にもれず、まったくのインチキ教団だとわかった。
とたん、恐怖感がウソのように消えた。自分に依存するというのはそういうことをいうのではないか。
自分自身の深い人間性や、知性、理性に依存する。どうせ依存するなら、そうする。
そのために自分自身をみがく。それはまさに自分との戦いといってもよい。
かく言う私だって、そんな偉そうなことは言えない。今ですらガタガタだ。
この先、たとえば女房に先だたれるとか、家計が崩壊するとか、あるいは事故や病気になったりして、いつガタガタになるか知れない。
そういう不安はいつもついて回る。だから「戦い」ということになる。
そういう意味では、「自分に依存して生きる」ということは、それ自体たいへんなことだ。
ああ、私だって、頼れる神や仏がいれば、今すぐ頼りたい。しかしそれをしればしたで、私にとっては、まさに人生の敗北でしかない。だからやはり戦うしかない。
以上、子育てをする上で、一つのヒントになれば幸いである。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー8
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。