「手乗り文鳥は子育てをしない」 はやし浩司先生の育児・教育指導
つい先日、13年をともにした手乗り文鳥が死んだ。
私は高校一年生のときからずっと、文鳥を飼っているが、もうその文鳥を最後にすることにした。私も五四歳になったから、これからは生き物を飼うのは慎重にしたい。
で、その手乗り文鳥だが、私の飼い方が悪いためなのかもしれないが、卵を抱いてヒナをかえすところまでは、何とかする。……できる。
しかしそのあと、手乗り文鳥は子育てをしない。自分のヒナを見て逃げまわるのもいた。
子育ては本能でできるようになるのではなく、学習によってできるようになる。
つまり親に育てられたという経験があって、自分が親になったとき、自分でも子育てができるようになる。
このことを裏づける事実として、一般論として、人工飼育された動物は、自分では子育てができない。
知能の高い動物ほどそうで、いわんや人間をや。
言いかえると、もしあなたがあなたの子どもにいつか、心豊かで温かい家庭を築いてほしいと願っているなら、幸せな家庭とはどういうものか。心豊かな家庭というのはどういうものか。
それを今、しっかりと子どもに見せておかねばならない。いや、見せるだけでは足りない。
子どもの体にしっかりと染みこませておかねばならない。
そういう体験があってはじめて、あなたの子どもは自分が親になったとき、自然な形で子育てができるようになる。
……ただ、だからといって、不幸にして不幸な家庭に育った人は、よい家庭を築けないと言っているのではない。
人間のばあい、近隣の人や親戚の人の子育てを見たり聞いたりすることによって、いろいろな子育てを模擬体験できる。本や映画を通して学習することもできる。
しかしふつうの人よりは苦労することは否定できない。
このタイプの人は、「いい家庭をつくろう」「いい親子関係をつくろう」という気負いがどうしても強くなり、その気負いが強いため、どこかギクシャクした家庭や親子関係をつくりやすい。
そういう心配はあるが、しかし問題は、そういう過去があることではなく、そういう過去に気がつかないまま、振り回されることである。そしていつも同じ失敗を繰り返すことである。これがこわい。
子育てをするときは、いつも自分の過去をみる。
「自分はどうだったか」「自分の生まれ育った環境はどうだったか」と。
それが結局は自分を知ることになるし、子育ての失敗を防ぐことになる。一度あなたも自分の過去を冷静に見つめてみたらどうだろうか。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー8
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。