「残像症状」 はやし浩司先生の育児・教育指導
「残像症状」という言葉は、私が考えた。
たとえば子どもが何かの心の問題をもったとする。
赤ちゃんがえりなら赤ちゃんがえりでもよい。
赤ちゃんがえりは、五〜六歳をピークに、この時期を過ぎると急速に症状が消えていく。しかしそのあと「残像」のようなものが残る。
後遺症というような症状ではないが、しかし関係がないとは言えないような症状をいう。
はっきりとした形で残るときもあるが、別の形となって残るときもある。
私はそれを勝手に「残像症状」と呼んでいる。いろいろな残像症状がある。
赤ちゃんがえり……
幼児期に赤ちゃんがえりを経験した子どもは、気むずかしい、いじけやすい、くじけやすい、意地っ張りになりやすいなど。
形としてはわかりにくが、ほかにケチになりやすい、意地悪、仮面をかぶる、よい子ぶる、さみしがり屋など。愛情への屈折した欲求不満が、どこかすなおでない子ども像をつくる。
分離不安……
孤独に弱い、恐怖心をもちやすい、人なつっこい、心をいつわりやすい、相手にあわせて行動する、人の心にとりいるなど。
一度幼児期に分離不安になると、分離不安はいろいろな形であらわれてくる。
ある妻は、夫の帰りが少し遅いだけで、極度の不安状態になってしまう。
あるいは夫が出張で家をあけたりすると、不安で不眠症なってしまうなど。
指しゃぶり……
髪いじり、爪かみなどを総称して、代償的行為という。
心を償うために代わりにする行為と考えるとわかりやすい。つまり代償的行為をすることによって、子どもは不安定な自分の情緒を安定させようとする。
だからこうした行為を叱ったり、禁止しても意味がない。
無理にやめさせると、かえって子どもの情緒を不安定にする。
で、こうした代償的行為は、おとなにも見られる。
これはベトナム戦争に行ったオーストラリアの友人から聞いた話だが、サイゴンに帰ったオーストラリア兵は、皆、「女を買った」そうだ。
しかしセックスが目的ではない。皆、女性を買って、一晩中、女性の乳首を吸っていたそうだ。
戦争という極度の緊張状態に置かれた兵隊たちは、そういう形で、自分の心をなぐさめた。
こうした指しゃぶりは、おとなにもよく見られる。
指の腹を吸う、なめるなど。
ヘビースモーカーの人は、よく「くちびるがさみしいからタバコを吸う」というが、それも代償的行為と考えてよい。もともと情緒が不安定の人とみてよい。
以上、おとなでも残像症状をもっている人はいくらでもいる。
で、あなた自身はどうか。一度自分を静かに観察してみるとおもしろい。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。