子どもの性質

 

「子どもの性質」 はやし浩司先生の育児・教育指導

 はやし浩司先生子どもにも生まれつきの性質というものがある。

その一つが、敏感児と鈍感児(決して頭が鈍感という意味ではない)。たとえばA子さん(年長児)は、見るからに繊細な感じのする子どもだった。

人前に出るとオドオドし、その上、恥ずかしがり屋だった。母親はそういうA子さんをはがゆく思っていた。そして私に、「何とかもっとハキハキする子どもにならないものか」と相談してきた。


 心理反応が過剰な子どもを、敏感児という。
ふつう「神経質な子」というときは、この敏感児をいうが、その程度がさらに超えた子どもを、過敏児という。敏感児と過敏児を合わせると、全体の約30%の子どもが、そうであるとみる。

一般的には、精神的過敏児と身体的過敏児に分けて考える。
心に反応が現れる子どもを、精神的過敏児。
アレルギーや腹痛、頭痛、下痢、便秘など、身体に反応が現れる子どもを、身体的過敏児という。A子さんは、まさにその精神的過敏児だった。


 このタイプの子どもは、
(1)感受性と反応性が強く、デリケートな印象を与える。おとなの指示に対して、ピリピリと反応するため、痛々しく感じたりする。

(2)耐久性にもろく、ちょっとしたことで泣き出したり、キズついたりしやすい。

(3)過敏であるがために、環境になじまず、不適応を起こしやすい。集団生活になじめないのも、その一つ。そのため体質的疾患(自家中毒、ぜん息、じんましん)や、神経症を併発しやすい。

(4)症状は、一過性、反復性など、定型がない。そのときは何でもなく、あとになってから症状が出ることもある(参考、高木俊一郎氏)。A子さんのケースでも、A子さんは原因不明の発熱に悩まされていた。


  ……というようなことは、教育心理学の辞典にも書いてある。が、こんなタイプの子どももいる。
見た目には鈍感児(いわゆる「フーテンの寅さん」タイプ)だが、たいへん繊細な感覚をもった子どもである。つい油断して冗談を言い合っていたりすると、思わぬところでその子どもの心にキズをつけてしまう。

ワイワイとふざけているから、「ママのおっぱいを飲んでいるなら、ふざけていていい」と言ったりすると、家へ帰ってから、親に、「先生にバカにされた」と泣いてみせたりする。


このタイプの子どもは、繊細な感覚をもちつつも、それを茶化すことにより、その場をごまかそうとする。
心の防御作用と言えるもので、表面的にはヘラヘラしていても、心はいつも緊張状態にある。

先生の一言が思わぬ方向へと進み、大事件となるのは、たいていこのタイプと言ってよい。


その子ども(年長児)のときも、夜になってから、親から猛烈な抗議の電話がかかってきた。「母親のおっぱいを飲んでいるとかいないとか、そういうことで息子に恥をかかせるとは、どういうことですか!」と。敏感かどうかということは、必ずしも外見からだけではわからない。



はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー6
NO’121〜144
気負いは子育てを疲れさせる スキンシップは量より質
学歴信仰 すばらしいと言え、親の仕事
溺愛ママ スラスラ読んでも意味がない
まじめ7割、いいかげんさ3割 子どもの自我
自己中心ママ こわい極端主義
過関心は子どもをつぶす 寸劇指導法
進学は話題にしない 性格は化学反応
人格形成と勉強は別 子どもの性質
日本人の依存性 伸びる子ども、伸び悩む子ども
祖父母との同居 設計図タイプの親
子どもの欲求不満 成長を喜ぶ
子どもの非行 性は無

NO’1〜NO’24 NO’73〜NO’96 NO’145〜NO’168
NO’25〜NO’48 NO’97〜NO’120 NO’169〜NO’192
NO’49〜NO’72 NO’121〜NO’144 NO’193〜NO’216
NO’217〜NO’240 NO’241〜NO’264 NO’265〜NO’282
NO’283〜NO’292


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【はやし浩司先生のプロフィール】

はやし浩司先生1947年岐阜県生まれ。

金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。

独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。

現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。

●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。

うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。

「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。

●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。

●現在は、インターネットを中心に活動中。

メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、

電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。

「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。

(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)

過去の代表的な著書

子育て格言ママ100賢1子育て格言ママ100賢子育て格言ママ100賢子育てはじめの一歩

子どもの心・100の育て方目で見る漢方診断クレヨンしんちゃん 野原家の子育て論子育てストレスが子どもをつぶす

ドラえもーん・野比家の子育て論 子育て最前線のあなたへ受験に克つ子育て法ポケモン・カルト―あなたの子どもがあぶない!

・・・などなど30冊余り出版されています。

はやし浩司先生のHP・ブログ

はやし浩司のホームページ はやし浩司先生のメインサイトです。
子育て・幼児教育など、先生が実践されてきた内容が凝縮されています。
きっと先生の優れた教育感、人間味溢れる魅力をお分かりいただけると思います。
はやし浩司の書籍 先生が執筆をした過去の原稿をダウンロードして読めます。

読者の相談ページや進学問題、パパママの子育て診断ページもあります。

最前線の子育て論byはやし浩司(メルマガ版) メルマガ版「最前線の子育て論byはやし浩司」は2007年10月、
60000誌の中で、TOP-ONEに評価され、2008年のメルマガオブザイヤーを受賞しています。

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最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe−Blog) 最前線の育児論のブログです。
子育てや教育について様々な視点・角度で執筆されています。

主に先生の哲学者的な内容を見ることができます。
しかし、先生は博識ですね〜。
お孫様のかわいい画像と、日記、教育論を掲載しています。

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