「音読と黙読は違う」 はやし浩司先生の育児・教育指導
小学3年生くらいになると、読解力のあるなしが、はっきりしてくる。
たとえば算数の文章題。読解力のない子どもは、問題を読みきれない、読みまちがえる、など。
あちこちの数字を集めて、めちゃめちゃな式を書いたりする。
親は「どうしてうちの子は、問題をよく読まないのでしょう」とか、「そそっかしくて困ります」とか言うが、ことはそんな簡単なことではない。
話は少しそれるが、音読と、黙読とでは、脳の中でも使う部分がまったく違う。
音読は、一度自分の声で文章を読み、その音を聞いて文の内容を理解する。
つまり左脳がそれをつかさどる。
一方黙読は文字を図形として認識し、その図形の意味を判断して文の内容を理解する。
つまり右脳がそれをつかさどる。
音読ができるから黙読ができるとは限らない。
ちなみに文字を覚えたての幼児は、黙読では文を読むことができない。
そんなわけで子どもが文字をある程度読むことができるようになったら、黙読の練習をさせるとよい。
方法は、「口をとじて本を読んでごらん」と指示する。
ある研究団体の調査によれば、黙読にすると、小学校の低学年児で、約30%程度、読解力が落ちることが」わかっている(国立国語研究所)。
ではどうするか。
もしあなたの子どもの読解力が心配なら、方法は二つある。
一つは、あえて音読をさせてみる。
たとえば先の文章題でも、「声を出して問題を読んでごらん」と言って、問題を声を出させて読ませてみる。
読んだ段階で、たいていの子どもは、「わかった!」と言って、問題を解くことができる。
が、それでも効果があまりないときは、こうする。問題そのものを、別の紙に書き写させる。
子どもは文字(問題)を一度文字で書くことによって、文字の内容を「音」ではなく、「形」として認識するようになる。
少し時間はかかるが、黙読が苦手な子どもには、もっとも効果的な方法である。
読解力は、すべての科目に影響を与える。
文章の読解力を訓練しただけで、国語はもちろんのこと、算数や理科、社会の成績があがったということはよくある。決して軽くみてはいけない。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。