「スキンシップは量より質」 はやし浩司先生の育児・教育指導
スキンシップについて、どの程度が適量なのかという具体的な調査はない。ないが、全体としてみると、日本人は欧米の人とくらべても、極端に少ない。親子のみならず、夫婦、友人の間でも少ない。日本人は肌を合わせるということについて、独特の文化をもっていて、それがこうした違いを生みだしたとも言える。
ただこういうことは言える。スキンシップは量ではなく、質の問題である、と。こんなことがあった。その子ども(年長男児)の家庭は、母親の言葉を借りるなら、「擬似母子家庭」。父親は仕事が忙しく、子どもと接する時間がほとんどなかった。が、その子どもには、母子家庭の子どもに見られるような心のゆがみがほとんどなかった。
で、ある日、私は母親にその秘訣を聞いてみた。すると母親はこう教えてくれた。「夫は日曜日になると、子どもをいつも抱いています。またたまに朝や夜、顔をあわせるときがあると、夫は子どもを腕に寄せ、力いっぱい抱いています」と。
もちろんベタベタのスキンシップがよいわけではない。ときどき一日中ペットの犬を胸に抱いている人を見かける。あのタイプの人は犬をかわいがっているというより、自分自身の情緒的欠陥を「抱く」という行為で補っているに過ぎない。こういうのを代償的行為というが、子どもの爪かみ、指しゃぶりと同じに考えてよい。もっとも相手が犬というペットなら、それほど弊害はないが、子どもだと、その弊害は子どもに表れる。精神や情緒の発育そのものが遅れることもある。
子どもをどの程度抱けばよいかという質問はよくある。しかしここにも書いたように、スキンシップは質の問題。抱く側が、「愛していますよ」「安心していいのよ」という明確な意思をもって抱くようにすればよい。またそういう意思を表示するためのスキンシップであれば、回数は多くてもかまわない。
なおこのスキンシップには、人知を超えた不思議な力がある。「人知を超えた」というのも、少しおおげさに聞こえるかもしれないが、私はその不思議な力に驚かされることがしばしばある。そんなことも考えながら、子どもへのスキンシップを考えるとよい。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー6
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。