「日本人の依存性」 はやし浩司先生の育児・教育指導
日本人が本来的にもつ依存心は、脳のCPU(中央演算装置)の問題だから、日本人がそれに気づくには、自らを一度、日本の外に置かねばならない。それはちょうどキアヌ・リーブズが主演した映画『マトリックス』の世界に似ている。その世界にどっぷりと住んでいるから、自分が仮想現実の世界に住んでいることにすら気づかない……。
子どもでもおなかがすいて、何か食べたいときでも、「食べたい」とは言わない。「おなかがすいたア、(だから何とかしてくれ)」と言う。子どもだけではない。私の母などは、もう40歳のときから私に、「お母ちゃん(自分)は、歳をとったでナ。(だから何とかしてくれ)」と言っていた。
こうした依存性は国民的なもので、この日本では、おとなも子どもも、男も女も、社会も国民も、それぞれが相互に依存しあっている。こうした構造的な国民性を、「甘えの構造」と呼んだ人もいる。たとえば海外へ移住した日本人は、すぐリトル東京をつくって、相互に依存しあう。そしてそこで生まれた子ども(二世)や孫(三世)は、いつまでたっても、自らを「日系人」と呼んでいる。依存性が強い分だけ、その社会に同化できない。
もちろん親子関係もそうだ。この日本では親にベタベタと甘える子どもイコール、かわいい子とし、そのかわいい子イコール、よい子とする。反対に独立心が旺盛で、親を親とも思わない子どもを、親不孝者とか、鬼っ子と言って嫌う。そしてそれと同時進行の形で、親は子どもに対して、「産んでやった」「育ててやった」と依存し、子どもは子どもで「産んでもらった」「育ててもらった」と依存する。
こうした日本人独特の国民性が、いつどのようにしてできたかについては、また別のところで話すとして、しかし今、その依存性が大きく音をたてて崩れ始めている。イタリアにいる友人が、こんなメールを送ってくれた。いわく、「ローマにやってくる日本人は、大きく二つに分けることができる。旗を先頭にゾロゾロとやってくる日本人。年配の人が多い。もう一つは小さなグループで好き勝手に動き回る日本人。茶髪の若者が多い」と。
今、この日本は、旧態の価値観から、よりグローバル化した新しい価値観への移行期にあるとみてよい。フランス革命のような派手な革命ではないが、しかし革命というにふさわしいほどの転換期とみてよい。それがよいのか悪いのか、あるいはどういう社会がつぎにやってくるのかは別にして、今という時代は、そういう視点でみないと理解できない時代であることも事実のようだ。あなたの親子関係を考える一つのヒントとして、この問題を考えてみてほしい。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー6
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。