「進学は話題にしない」 はやし浩司先生の育児・教育指導
病気の人に、「何の病気?」「どこが悪いの?」「どこの病院へ通っているの?」などと聞くものではない。
同じように受験生をもった親に、「どこを受験するの?」「受験日はいつ?」「何学部に受験するの?」などと聞くものではない。
私はいつか、『受験家族は病人家族』という格言をつくったが、その通り。
受験生をかかえる家族は、(もちろんそうでない家族も多いが)、「病人家族」と考え、そっとしておいてあげることこそ、心づかいというもの。が、中には無神経な人がいる。先日も会うと、いきなりこう話しかけてきた女性(50歳)がいた。
「あら、林さん、お宅の子、今年受験なさったのでないかしら? で、どこを受験なさいましたの? 林さんのお子さんのことですから、さぞかしいいところに入ったのでしょうね」と。
元、幼稚園の教師で、数年間一緒に仕事をしたこともある女性だった。
私はあまりのレベルの低い会話にア然とした。いや、それ以上に、その女性が私を彼女と同レベルに思い込んでいる様子が不愉快だった。
こうした会話がいかに愚劣なものかは、世界を歩いてみるとわかる。
たとえば台湾やシンガポールでは、相手の出身大学を聞きあうのが初対面の会話のようにもなっている。「あなたはどこの大学ですか?」「で、学位は?」とかなど。
新しいタイプの身分意識といってもよい。どこか時代が逆戻りして、封建時代へ向かいつつあるかのような錯覚すら覚える。今のこの日本ではそこまでひどくはないが、10年前には、あるいは20年前には、台湾やシンガポール以上に、学歴を気にした。
今でも気にしている人は多い。
しかしやはりこうした会話は、相手が進んでするばあいは別として、するものではない。
家族によっては、極度の緊張状態にある家族もある。
子どもが受験期を迎えると、大半の親たちは食事もノドを通らないほど、それを気にする。それがおかしいとか、おかしくないとかいう前に、事実はそうなのだ。だから「進学校は話題にしない」。
これは会話のエチケットのようなものだ。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー6
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。