適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
心の傷 はやし浩司先生の教育アドバイス
私の父はふだんは、学者肌の、もの静かな人だった。
しかし酒を飲むと、人が変わった。今でいう、アルコール依存症だったのか? 3〜4日ごとに酒を飲んでは、家の中で暴れた。大声を出して母を殴ったり、蹴ったりしたこともある。
あるいは用意してあった食事をすべて、ひっくり返したこともある。
私と六歳年上の姉は、そのたびに2階の奥にある物干し台に身を潜め、私は「姉ちゃん、こわいよオ、姉ちゃん、こわいよオ」と泣いた。
何らかの恐怖体験が、心のキズとなる。
そしてそのキズは、皮膚についた切りキズのように、一度つくと、消えることはない。
そしてそのキズは、何らかの形で、その人に影響を与える。が、問題は、キズがあるということではなく、そのキズに気づかないまま、そのキズに振り回されることである。
たとえば私は子どものころから、夜がこわかった。
今でも精神状態が不安定になると、夜がこわくて、ひとりで寝られない。
あるいは岐阜の実家へ帰るのが、今でも苦痛でならない。
帰ると決めると、その数日前から何とも言えない憂うつ感に襲われる。しかしそういう自分の理由が、長い間わからなかった。
もう少し若いころは、そういう自分を心のどこかで感じながらも、気力でカバーしてしまった。が、50歳も過ぎるころになると、自分の姿がよく見えてくる。
見えてくると同時に、「なぜ、自分がそうなのか」ということがわかってくる。
私は子どものころ、夜がくるのがこわかった。
「今夜も父は酒を飲んでくるのだろうか」と、そんなことを心配していた。
また私の家庭はそんなわけで、「家庭」としての機能を果たしていなかった。
家族がいっしょにお茶を飲むなどという雰囲気は、どこにもなかった。
だから私はいつも、さみしい気持ちを紛らわすため、祖父のふとんの中や、母のふとんの中で寝た。
それに私は中学生のとき、猛烈に勉強したが、勉強が好きだからしたわけではない。
母に、「勉強しなければ、自転車屋を継げ」といつも、おどされていたからだ。
つまりそういう「過去」が、今の私をつくった。
よく「子どもの心にキズをつけてしまったようだ。心のキズは消えるか」という質問を受ける。が、キズなどというのは、消えない。消えるものではない。恐らく死ぬまで残る。
ただこういうことは言える。心のキズは、なおそうと思わないこと。忘れること。
それに触れないようにすること。さらに同じようなキズは、繰り返しつくらないこと。つくればつくるほど、かさぶたをめくるようにして、キズ口は深くなる。
私のばあいも、あの恐怖体験が一度だけだったら、こうまで苦しまなかっただろうと思う。
しかし父は、先にも書いたように、3〜4日ごとに酒を飲んで暴れた。
だから54歳になった今でも、そのときの体験が、フラッシュバックとなって私を襲うことがある。
「姉ちゃん、こわいよオ、姉ちゃん、こわいよオ」と体を震わせて、ふとんの中で泣くことがある。
54歳になった今でも、だ。
心のキズというのは、そういうものだ。決して安易に考えてはいけない。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。