適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
親子の断絶の3要素、(2)価値観の衝突 はやし浩司先生の育児アドバイス
日本の子育てで最大の問題点は、「依存性」。
日本人は子どもに、無意識のうちにも依存性をもたせ、それが子育ての基本であると考えている。
たとえばこの日本では、親にベタベタと甘える子どもイコール、かわいい子イコール、よい子とする。
一方、独立心が旺盛で、親を親とも思わない子どもを、昔から「鬼っ子」として嫌う。
言うまでもなく、依存と自立は、相対立した立場にある。
子どもの依存性が強くなればなるほど、子どもの自立は遅れる。
が、この日本では、「依存すること」そのものが、子育ての一つの価値観になっている。
たとえば「親孝行論」。こんな番組があった。
数年前だが、NHKの『母を語る』というのだが、その中で、歌手のI氏が涙ながらに、母への恩を語っていた。「私は女手ひとつで育てられました。その母の恩に報いたくて東京へ出て、歌手になりました」と。I氏はさかんに「産んでもらいました」「育てていただきました」と言っていた。
私はその話を聞いて、最初は、I氏はすばらしい母親をもったのだな、I氏の母親はすばらしい人だなと思った。
しかし10分くらいもすると、大きな疑問が自分の心の中に沸き起こってくるのを感じた。
本当にI氏の母親はすばらしい人なのか、と。ひょっとしたらI氏の母親は、I氏を育てながら、「産んでやった」「育ててやった」と、I氏を無意識のうちにも追いつめたのかもしれない。そういう例は多い。
たとえば窪田聡という人が作詞、作曲した『かあさんの歌』というのがある。あの歌の歌詞ほど、ある意味で恩着せがましく、またお涙ちょうだいの歌詞はない?
で、結局はこうした「依存性」の背景にあるのは、子どもを一人の人間としてみるのではなく、子どもを未熟で未完成な半人前の人間とみる、日本人独特の「子ども観」があると考える。
「子どもは子どもでないか。どうせ一人前に扱うことはできないのだ」と。
そしてこういう「甘さ」は、そのまま子育てに反映される。
子どもをかわいがるということは、子どもによい思いをさせることだ。
子どもを大切にするということは、子どもに苦労させないことだと考えている人は多い。
先日もロープウェイに乗ったとき、うしろの席に座った60歳くらいの女性が、五歳くらいの孫にこう話していた。「楽チイネ、おばあチャンといっチョ、楽チイネ」と。子どもを子ども扱いすることが、子どもを愛することだと誤解している人は多い。
そこで価値観の衝突が始まる。
たとえば親孝行論にしても、「親孝行は教育の要である。日本人がもつ美徳である」と信じている人は多い。
しかし現実には、総理府の調査でも、今の若い人たちで、「将来、どうしても親のめんどうをみる」と答えている人は、19%に過ぎない(総理府、平成九年調査)。
どちらが正しいかという問題ではない。
親が一方的に価値観を押しつけても、今の若い人たちはそれに納得しないだろうということ。そしてそれが、いわゆる価値観の衝突へと進む。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。