依存心という魔物 はやし浩司先生から子育てママへ
依存心が強ければ強いほど、当然のことながら、子どもの成績は伸び悩む。
理由の第一。このタイプの子どもは、与えられることになれ、また与えられてからすることになれている。
万事が受身で、そのため、たとえば自分の頭の中に、自分で「学習の地図」をつくることができない。
自分が何のために、またどういう方向性をもって勉強しているかが、わからない。
どこにいるかさえわからなくなってしまう子どもすら、いる。
こんな小学生(小四男子)がいた。何かの問題を解いていて、それをまちがえたらしい。
子「まちがえたところは、消すのですか」、
私「そうだ」、
子「消しゴムで消すのですか」、
私「そうだ」、
子「きれいに消すのですか」、
私「そうだ」、
子「計算式も消すのですか」、
私「それはいい」と。
あるいは中学生になると、こんな会話をする。
子「今日は、どこを勉強するのですか」、
私「この前のつづきをしないさい」、
子「……」と。
そこでどんな勉強を始めるかと待っているのだが、一〇分たっても、二〇分たっても、一向に勉強を始める気配がない。
そこで私がしびれを切らせて、「何か、勉強を始めたら?」とうながすと、「どこで終わったか、忘れました」と。
こうした依存性は、すでに年中児(四歳児)のときにあらわれる。
原因のほとんどは、過保護と親の先走り。何でもかんでも、「先へ、先へ」と親が、しすぎるほど用意してしまう。
子どもはそれに引っ張りまわされているだけ。が、なおたちの悪いことに、そういう親の姿勢を批判しても、それに気づく親は、まずいない。
たいていの親は、「自分は子どものために正しいことをしている」と思い込んでいる。
しかもそうした世話をするのが、親の務めと誤解している。
ある母親はこう言った。
「あの子は、生まれつきああいう子ですから……」と。
子どもに生まれつきも、生まれつきもない。そういう子どもにしたのは、親自身なのだ。それに気づいていない。
子どもに依存心がつくかどうかは、結局は、子育てのリズムで決まる。
そういったリズム(過保護傾向、先走り傾向)があれば、できるだけ早い時期にそれに気づく。
そしてそのリズムを変える。勉強ができる、できないは、あくまでもその結果でしかない。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。