ネームドロッピング はやし浩司先生の教育アドバイス
それとなく会話の中に、有名人の名前を混ぜ、それでもって、「自分は有名人と親交がある」「……あった」と相手に思わせることを、「ネームドロッピング」というらしい。
私はこの言葉を、今日、はじめて知った。
……と書くと、「何だ、林浩司は、そんな言葉すら知らなかったのか」と思われそうだが、事実は事実。
虚偽性人格障害者と呼ばれる人が、この手法をよく用いるそうである。
そしてそれが犯罪に結びつくと、詐欺師ということになる。
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しかし私には、その反対の経験がある。
名前を出したくても、出せなかった。
出したところで、だれも本気にはしなかっただろう。
今でこそ、「ネームドロッピング」という言葉もあるが、ネームドロッピングそのもの。
だれしもみな、そう思ったことだろう。
私はSH氏に後見人(身元引受人)になってもらい、オーストラリアへ渡った。
1970年の3月のことである。
SH氏というのは、現在の皇后陛下の父君である。
そのSH氏は、そういう関係もあって、留学する前も、そしてそのあとも、電話一本で、気軽に会ってくれた。
会うといつも、東京商工会議所の横の路地にあるそば屋へ、私を連れていってくれた。
そばのたいへん好きな人だった。
が、そのSH氏の名前をこうして書くようになったのは、私が47歳も過ぎてからのこと。
そのころから猛烈に本を書き始めた。
それまでは、名前を口にするだけでも、畏(おそ)れ多かった。
その状況は、今でも変わらない。
先日も友人と電話で話しているとき、何かの話のついでに、SH氏が話題になった。
そのときもつい、口がすべりそうになった。
しかし言えば言ったで、まさにネームドロッピング。
その友人は、そう思っただろう。
だから言わなかった。
で、詐欺師といっても、いろいろある。
相手を意図的に騙そうとする詐欺師もいれば、その意識もないまま騙そうとする詐欺師もいる。
前者はまだ救われるが、後者は、人格障害の一つで、虚偽性人格障害とも呼ばれる。
もちろん軽重はある。
軽い人は、「境界性〜」という名前がつく。
「パーソナル障害」と呼ぶときもある。
このタイプの人は、頭の中で虚構の世界を作りあげ、虚構が虚構であることさえ、わからなくなってしまう。
「私の父親は、SH氏」「だから私も皇族」と。
本人自身が本気でそう信じているから、相手も騙されやすい。
(?をついているという)スキがない。
しかし世の中には、ネームドロッピングの、(ネーム)そのものの人もいる。
そういう人が詐欺を働くときもある。
アメリカで起きた、元Nダック会長による詐欺事件である。
被害額は数兆円にのぼるとされる。
数兆円である。
仮に2兆円として、1万円札が100枚で1センチの高さになるとして計算してみると、何と、その高さは、20キロメートル!
それもそうだろう。
「元Nダック会長」と言えば、だれだって信用してしまう。
そんな人がまさか詐欺を働くとは、だれも思わない。
話はそれたが、虚偽性人格障害と位置づけられる人は、このネームドロッピングという手法をよく用いるそうである。
有名人の名前を、会話の中に織り込むのは、ほどほどに!、ということになる。
かえってあなたの人格を疑われることになる。
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。