分厚い教科書(Self-Study) はやし浩司先生の教育アドバイス
教科書を厚くすることには、大賛成である。
現行の教科書(小中高)は、あまりにも薄い。
内容がない。
が、何よりも、自分で読んで、自分で理解して、自分で勉強するようには、できていない。
子どもの学習で大切なのは、「自学」である。
その習慣づけをいかにするか。
そのとき教育の真価が問われる。
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教育再生懇談会が、つぎのような答申を出した(第三次報告)。
TBS−NEWSは、つぎのように伝える。
**********以下、TBS・NEWSより***********
AS内閣の教育再生懇談会は、授業を受けることを前提に作られた現在の教科書を、自習にも適した内容に改めることなどを盛り込んだ第2次報告をまとめ、AS総理に提出しました。
教育再生懇談会の第二次報告では、学習指導要領の改訂を受けて、教室で授業を受けながら使うことを前提に作られている教科書を、丁寧な記述にして練習問題を増やすなど、自学自習に適した内容に改めるよう求めています。
(12月18日)TBS NEWS−i
**********以上、TBS・NEWSより***********
大賛成である。
私も、小学3〜4年生ごろから、生徒に、自学を教えている。
子育てにたとえるなら、子ども自身が親離れするように、(できるように)、指導する。
具体的には、教科書を自分で学習させ、「わからないところがあったら、もってきなさい」という指導法に、切り替えている。
こうした指導でもっとも注意しなければならないことは、子どもに依存心をもたせないこと。
依存性をもたせれば、そのときはそれでよいかもしれないが、中学生になったとき、あるいは高校生になったとき、さらにあるいは社会人になったとき、そこで宙ぶらりんになってしまう。
たとえば今、社会人で、自分で勉強している人は、いったい、どれくらいいるだろうか。
母親でもよい。
中には、「私はもう終わりましたから」と言う人がいる。
「私の勉強時代は終わったから、もう勉強などしなくていい」と。
あるいは勉強というものを、進学のための手段にしか考えていない。
そういう人ほど、(学ぶ)ことに対して、依存性が強いと考えてよい。
「勉強嫌い」というよりは、自学の習慣そのものが、ない。
勉強というのは、教えられてするものではない。
教科書なら教科書でよいが、自分で読んで、自分で理解して、自分で勉強するもの。
それを教えるのが、「教育」ということになる。
ところで私の知人にこんな女性(60歳くらい)がいる。
あることでその女性の家に行ってみたのだが、本という本が、ほとんどない。
雑誌もない。
驚いたことに、DVDの再生装置すらない。
話を聞くと、音楽も聴かないという。
その一方で、世間話はよく知っている。
「あのタレントはどうなった」
「この歌手はどうなった」と。
皇族の話も、詳しい。
毎朝、そういうテレビ番組だけは、しっかりと見ているらしい。
が、ある日、その女性から、認知症の相談を受けた。
その女性の夫の様子が、少しおかしいという。
私は専門家ではないが、さっそくインターネットから資料をダウンロードし、それをコピーして、その女性に渡した。
で、ワイフにそれを届けさせたのだが、その女性は、資料には目をとおそうとすらしなかっただけではなく、その資料を手で払いのけてしまったという。
「こんなものを読んでも、私にはわかりません!」と。
自学の習慣のない人は、そういう反応を示す。
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。